第30話 天罰
☆
私はイライラが止まらない。
それは当然、奴らの事もそうだが。
問題点がある。
つまり鮫島の事だ。
奴は私を裏切った挙句。
転校したのだが。
私を何だと思っているのだ?
コケにしやがって絶対に許さない。
「鮫島の野郎もマジに困ったもんだな」
「そうだね。翔也」
私達はそんな会話をしながら家に帰る。
翔也は私を見てから笑みを浮かべる。
サッカー部の将来有望な選手。
まあ女性から憧れの的にされているが。
「翔也はどうしたら良いって思う?」
「俺か?俺は鮫島を粛正すべきだって思う。まあ痛めつけるとか?」
「いやいや。それじゃ私達にもダメージだし解決が出来ないよ」
「ならどうすんだ?」
「とにかく相手側。奴らを許さないから。此方は兵を用意して心理戦でとにかく戦おうよ」
そうしながら私達は帰っていると。
いきなり翔也が前に「ぐっ」と言って倒れた。
私は驚愕する。
翔也は頭から血を流していた。
背後を直ぐに見たが私も殴られた。
「...?!」
私は訳が分からないまま。
痛めつけられる。
翔也はかなり勢いよくぶん殴られた様だ。
身動きをしない。
待て。何が起こった。
「調子に乗りすぎ。アンタら」
地面に倒れた。
男子の声がする。
背後を微かに見るとそこに男子の靴が見える。
ローファーだが。
この靴は確か...奴らの学校。
暁月達の学校の指定靴。
「どうする?」
「まあまたアイツらが迷うしさ。俺らの顔も見られたし。ここでトドメ刺すか?」
「...」
頭とかから血が滲む感触がある。
バットらしきものを投げ捨てる音がする。
卑怯な手を使いやがって!
そう思いながら起きあがろうとしていると腹を殴られた。
それから地面に倒れる。
「起き上がるなよ。痛い目に遭いたくはないだろ?」
「お前...ら。絶対に許さない!」
「いやいや。絶対に許さないってお前らが悪いんだけどな」
「全部な。お前らがまず初めにやった事。反省しろ。痛みを抱えてな」
私は全身に激痛を感じながら悶える。
すると目の前にその男が立つ。
それから「痛いよな?だけど彼らはもっと痛かったぜ。だから痛みを抱えながら暮らしたらどうか」と言う。
「マジに天罰がくだるよ!マジに...!」
「天罰ありきで俺達はやってるしな。多分捕まる。だけどその前にお前らを負傷させれば問題は無い」
「...」
私は歯を食いしばりながらその男達の声を聞いていると。
見ていた通行人が通報した様だ。
警察官がやって来た。
そいつらは逃げ出した。
そして私は気を失ってしまう。
☆
そのまま私達は病院に運ばれた。
横に居た翔也は重傷を負っていた。
頭蓋骨を陥没する程のかなりのダメージ。
私は病室で外を見る。
クソッタレ忌々しいのだが...誰だったのか。
そう思いながら外を見ているとドアがいきなり開いて私の胸ぐらを掴んでくる奴が居た。
それは私の母親だった。
私にビンタをかましてくる。
「アンタ一体なんなの?!医療費がかかるの知ってからやってんの?!脳内お花畑!?馬鹿が!」
「...それが娘に対する言葉?私、心底ムカつくんだけど」
「アンタは私に養ってもらってんの!文句ある!?」
「じゃあ出て行ってやるよ」
私はメラメラと目を燃やしながらそう話す。
それから母親を威圧する。
私は母親に「今回の金は私が貯めた金で払うから。バイトで貯めた金で」と怒りを露わにした。
もう我慢出来ない。
独り立ちまで待とうと思ったが。
「アンタ金があるの?!言いなさい!母親に!」
「誰がアンタなんかに。私は達也っていう彼氏も居るし。アンタなんかに世話になる必要無くなった。死ねよ」
「アンタ母親に対して何言ってんだ!」
「独り立ちしてないのはアンタでしょうが。このクソ野郎が」
私はそう言いながら母親に掴みかかる。
騒ぎを聞いたのか看護師と医者が止めに来た。
だが私は「もうアンタなんかしらねぇ!死ねよ!マジに!」と話す。
母親は私と同じで暴れる。
「アンタね!本当に憎たらしい!」
「弱いんだよ!そもそもにアンタ!父親が死んだぐらいで歪むとかクソ野郎か!」
「産まなかったら良かった!アンタなんか!」
私はますます怒りを募らせ。
その日、母親とは訣別した。
それから私はますます暁月達をぶちのめしたくなった。
こうなったのも暁月達のせいだ。
☆
「...何だって...?」
俺はメチャクチャに衝撃を受けながらテレビの地元ニュースを観ていた。
坂田元春は多分...うちのクラスメイトだが。
暴行容疑で捕まっていた。
それも殺人未遂に切り替える形になる可能性がある。
「何をしたんだよ...」
と思っていると電話がかかってきた。
それは泉だった。
俺は「どうした?」と聞く。
すると泉は「...ニュース観た?」と言った。
「ああ。まあ」
「...あれの被害者、噂だけどアイツだって。豊島だって」
「は?ちょっと待て。どうなってんだ?!」
「あくまで噂だけど。横に居た男子生徒。つまり井上は重傷らしい。まあどうでも良いんだけど手を出したらマズいよね」
「そりゃまあ...」
「...どうなるんだろうね」
俺はその言葉と一緒に目の前のニュース映像を見てみる。
泉が「自業自得だとは思うけど。だけど...」と困惑する様に話す。
「そうだな...」
「どうなるんだろ。本当に」
「アイツは重傷なのか?豊島は」
「知らないけど...襲われているみたいだよ」
言葉に。
考え込む俺。
まさかそんな事になっているとは。
そう考えながら俺は「...」となった。
どう動くか、だが...。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます