第27話 5つの悪
俺達は...洗いざらいだが。
今の状況を書き出す事にした。
先ずボスは恐らく豊島だ。
そしてその相手が...恐らくだが影島達也となる。
この先にあと何人敵が居るかは分からない。
「...影島達也、か...久々に聞いたね」
「知っているのか?山田」
「知ってるよ。この辺りでも最近、素行が悪いって有名だよね」
「...そうなんだな」
「ああ。...俺は気に入らないな」
昼休みの事。
俺達は俺、柊子、泉、山田達と一緒に紙に書き出していた。
クラスメイト達も興味があるらしい。
俺はその事にゆっくりと紙に書き出す。
「...ところで暁月くん」
「...何だ。山田」
「今度、前も言った通り生徒集会がある。そこで君の事を話そうと思っているが。...今なら許可が貰えるかなって思って聞いている」
「...そうだな。...今ならもう話しても良いかもな」
「そうか。...分かった。君の事をそれなりに配慮して文章を作らせてもらうよ」
「...ああ。任せた」
そして俺は改めて紙を見てみる。
紙には関係図を記載している。
書き記していっているのだが...どれだけ敵が居るのだろうか。
そう思いながら俺達は悩んでいると「あの」と声がした。
「...?...鮫島さん?」
「...その...きっと役に立つかなって思って来ました」
「役に立つっていうのは...」
「...私、情報提供します」
その言葉に俺達は驚く。
それから見ていると鮫島さんは「...豊島の友人は豊島を合わせて全部で5人居ます」と言葉を発しながら「...それは男子が2人、女子が2人です」と話した。
俺は「...そうなのか...」と鮫島さんを見る。
「...それで君自身が危険にならないかい?」
「私はもうどうでも良いんです。...ただ私は...彼女に元に戻って欲しかったけど...もうそれは叶わない。だったら今から...脅威を抑えたいんです」
「...分かった。...有難うね。鮫島さん」
そして山田は俺に向いてくる。
俺はその姿を見てから鮫島さんを見る。
「鮫島さん。もし良かったらどういう奴らか教えてもらって良いか」と話した。
すると鮫島さんはビクッとしながらもゆっくりと口を開いてくれた。
☆
敵は恐らくだが豊島数多、影島達也、井上翔也(いのうえしょうや)豊橋瑠美(とよはしるみ)、橋本美来(はしもとみく)だ。
この5人の素性はあまり良く無いという。
何れにせよ。
俺はコイツら纏めてぶっ飛ばすけど。
「...5人も居るんだね」
「逆にコイツらを倒した所で幸せになるかどうかも分からないけど」
「それは確かにな」
玉城やクラスメイト達はその紙を見ながら納得している。
本当にまあこんなにも分かり合えるとはな。
そう思いながら居ると「私、豊橋瑠美を知ってる」と声が上がった。
俺はその姿を見る。
「不良集団のリーダーだよ」
「...マジか。佐藤さん」
「そうだね。...だけど噂程度に嗅ぎつけただけだけど」
「そうなんだな。...でも情報有難うな」
「うん」
そしてクラスメイト達は「俺も聞いたぞそれ」とか言い出す。
収集がつかなくなった。
それに対して山田が「はいはい」と手を叩く。
それからクラスメイト達に「落ち着いて。彼の事で悩んであげるのは良いけど。うるさくなったら意味無いから」と言う。
その中で玉城が聞いた。
「ねえ。鮫島さん」
「は、はい。なんでしょうか」
「私...貴方が何故その今までの決意とかに至れたか知りたいです。話してくれませんか?」
「...一応、私は...そうですね。私は決意したんです。もう後悔はしたく無いから」
「決意?」
「もう私のせいで誰かを失いたくないんです。誰かを傷付けたく無い。だから私は話す事にしたんです。もう私は...嫌だから」
そう言いながら涙を浮かべる鮫島さん。
俺はその姿を見てから「...」となる。
それから居ると柊子が「有難う御座います。鮫島さん」となった。
そして「私は貴方の行動に敬意を表します」と言った。
「私は何もして無いですよ。怖気づいて逃げた根性無しです」
「俺はそうは思わない」
俺はゆっくり顔を上げてから鮫島さんの顔を覗き込む。
すると鮫島さんは「...有難う御座います」と呟いた。
そんな姿を見ながら居ると「鮫島さん」と言ってから泉が鮫島さんの顔を見た。
鮫島さんはビクッとしながら泉を見る。
「私は貴方には...信頼を寄せれなかった」
「...はい」
「話を聞いた限りじゃ貴方の事は信頼出来ないって思った」
「...はい...」
「だけど貴方も相当に悩んでいる。病気になりながらも私達を見てくれた」
「...」
「貴方の事、心から信頼したいから」
「...」
「信じても良いかな」
鮫島さんはどういう回答をするか分からなかった。
だがゆっくりとこう話した。
「私自身は残念ですが今は信頼に値しないと思います。だから私は自らで自らを証明していきます」
と、だ。
俺達は驚きながらその姿を見る。
それから「分かった」と頷く。
泉はその予想外の回答に「...」となってから無言になる。
するとチャイムが鳴った。
それから俺達はそのまま鮫島さんと別れてから椅子に腰掛ける。
アイツらはきっと待つ事は無い。
だとするなら襲撃される前に見つけ出し。
それから逆に仕掛けるしか無いだろう。
でないと...ヤバい気がする。
豊島数多、影島達也、井上翔也、豊橋瑠美、橋本未来...か。
コイツらは倒す敵第一位だな...。
そう思いながら俺は窓から頬杖で眉を顰めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます