第24話 交渉決裂


あまりにこの世の中が面白くなさすぎる。

そう考えながら私はイライラしながら家に帰る。

するとヒステリーを起こした母親の声が聞こえた、と同時に「何をしているの!!!!!どこをほっつき歩いていたの!!!!!」と一緒に怒号とペン立てが飛んでくる。

私はイライラが増しながら「どこでも良いでしょう」と答える。

そうしているとバァンと思いっきりのビンタが飛んできた。


「アンタ誰に飯を食わせてもらっているって思っているの?お父さんが居なくなってから...私が血眼になって稼いでいるのに!!!!!」

「...そんなに世話に私が邪魔なら家を出て行くけど?」

「アンタ誰に向かって言っているの?私は...母親なのに。アンタ娘よ?私を養おうという気はないの?最低ね」


母親はとち狂った事を言う。

私はキレそうになる。

これだからヒステリーはマジに困る。

そう思いながら私は「...知らないよ。...何?さっき言っている事と反発しているけど」と聞く。

すると母親は私にまたビンタを飛ばす。


「アンタね!!!!!」


私と母親は家で暮らしている。

だけど...お父さんが亡くなってからこの家はゴミだらけで腐敗している。

脱いだものは散らかったまま。

ゴミはそのまま。

まさに地獄だ。

おまけに母親はお父さんが亡くなって狂っている。


「...アンタなんか母親じゃないし」

「はぁ?」

「お父さんが死んでから...狂ってしまったよね。...マジに弱いよね!!!!!精神が!!!!!」

「...アンタね...」

「またビンタ飛ばす?だったら私も反撃するけど」

「私は...アンタの母親なのに」

「母親と思ってないって言っているでしょう。元に戻る気もないなら全てが破滅的だよ」

「...」


母親は妬ましく私を見る。

私はイライラしながらそのままその場を後にした。

それから自室に閉じ籠る。

何故こんな事になった。

そう思いながら私は「...そうだ。これも全部...アイツ。暁月晴矢のせいだ。だったら私は...!!!!!」となる。


「...私は許さない。晴矢...アンタがレイプした事を」


そして私は更なる嘘を塗り固めようとした。

すると電話がかかってきた。

それは...達也だった。

影嶋達也(かげしまたつや)。

私の友人の男の子。


「もしもし」

「ああ。数多。...アイツら捕まったらしいぞ。飯島と高橋」

「...知らないよ。そんなの。どうでも良い」

「まあな。アイツら捨て駒だしな」

「情報だけ提供してやっただけ。...それだけ」

「...だけど警察が動いているっぽいぞ?もう無茶出来なくね?」

「それはアイツらに、でしょ。...私は指示した訳じゃないし。支持もしてない」

「...そうだな。確かにな」

「だから私は知らないしどうでも良い」


そう言いながら私は冷めた目をする。

すると達也は「...暁月はどうだったんだ。結構...接触したろ。お前」と聞いてくる。

私は「あんな犯罪者の事なんてどうでも良いけど...私がまた気楽に過ごせる様に彼には悪意を被ってもらう予定」と解説をした。

達也は「そうか」と言いながらニヤニヤする様な声で言った。


「楽しみだな」

「楽しみっていうか犠牲になってもらわないとね。...それにムカつくよ彼ら」

「そうだな。調子に乗っている部分もあると思う。最近...噂に聞いた限りではな」

「そうそう。だからどうにも許せない」

「...それにしてもレイプ魔がそんな事をするなんてな。...心底馬鹿にしているな」

「そう。私は...絶対に許さないよ」

「何かお前楽しそうだな」

「そうだよ〜」


達也はいつも私を構ってくれる。

いつか告白しようとは思っているけど。

だけど先ずは...目先の事を解決しなければ。

そう思いながら居ると達也が「今度、河川敷でバーベキューするんだけど。当然、数多も来るよな?」と私を誘う。

私は「うん」と笑顔になって言う。


「...」


この人は私の理想的なパートナーだ。

私が大好きな面々を全部抱えているのだ。

無茶苦茶、理想的。

ああなんて幸せなんだろう。

家の事さえどうにかなれば、と思うけど。


「暁月にどうするんだ?ところで」

「...彼にはレイプ魔の烙印を押してやるの。影から全て落としてやる。その為に先ずは彼の大切な秀水から地獄を見てもらおうかな」

「ああ。秀水柊子だっけ?...あの美人」

「私にとっては憎たらしい顔だけどね」

「あの女に何か恐怖でも刻み込むのか?」

「そーそー。まあでも私は手は出さないよ。...知り合いの男達が動くだろうけど」

「はははwww怖いなお前www」

「そう。暁月の、アイツの望むもの全部ぶっ壊してやる。だって私は不幸だし」


秀水もそうだけど。

山田だっけ?よく分からないけど全員、壊滅させてやりたい。

私がこんな目に遭っているのに幸せになんて許さない。

絶対にあってはならない話だから。



翌日になってから私と...待ってもらって達也と一緒に暁月の家に向かう。

全て事前にインプットしてから、だ。

それから私はインターフォンを押そうとした。

すると横から声がした。


「おはようございます」

「...秀水?」

「あーちゃん。彼はまだ寝ています。...ですが私は貴方に用事があって来ましたが」

「...どういう用事」

「この大きな戦いを停戦しませんか。もう止めましょう。この戦いは無意味です」

「私は暁月だけは許さないよ。小馬鹿にするし」


すると秀水は冷ややかな笑みを浮かべた。

私は「...」となって秀水を見ていると。

向こうの方から「オイ」と声がした。

達也が来ていた。


「威嚇するな。相手は女だぞ」

「...そうですね。見れば分かります。...交渉決裂、残念です。地に落ちてもらいますよあなた方にも」

「...地に落ちる?それはこっちのセリフだけど。...彼は私をレイプしたのに。それで能天気に暮らしているのは許せない」

「地獄を見てもらいますよ。...彼はあくまでレイプはしてない」

「...」


達也がイライラする姿を見せる。

その姿に私は「良いよ。また別の日に来るから」と嘲笑ってからその場を後にする。

秀水は「後悔しない様に」と言葉を発してから私達を見送る。


脅してきたな秀水の奴。

罪を犯せば捕まる。

あくまで秀水は分かっているのか?


分かってないなら滑稽極まりないのだが。

私達はレイプされた。

その被害を訴えているだけだ。

何も悪くない。

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