第7話 約束


私はマンションに帰って来てからそのままベッドにダイブした。

それから考えてから右左に転がってからニヤニヤする。

マズいな。

メチャクチャに楽しみと言える。


「うふふ」


ただ嬉しくて。

今のこの状況が凄い嬉しい。

そう考えながら私は頬を持つ。

何だか赤面してしまう。

かなり...赤面してしまう。


「嬉しいって事はやっぱり私は...?いや。そんな事は無いよね?...でも」


でも。

ただひたすらにこの状況が楽しい。

それに赤面しか出来なかった。

私はずっと暁月さんが気になっていたんだなって感じに思う。

多分これは。

もう分かっている。


「好き。大好き。暁月さんが」


私はそう呟きながら、好き、の単語にそのまままた赤面する。

10年間の願い。

暁月さんへの願い。

大切な想い。


「その為にも」


ゆっくり立ち上がる。

それから私は眉を顰めてから前を見る。

暁月さんが着せられている罪を無罪だと晴らさないといけないのだ。

そう考えながら私は眉を顰めたまま拳を握りしめる。

一体、何処の誰なんだ。

暁月さんに...レイプの罪を着せた奴は。


「...」


私は溜息をゆっくり吐いた。

それから私は「...」となりながら椅子に座る。

勉強しないといけないけど。


嬉しさ、悲しさ、怒り。

全てが私を凌駕する。

ぐちゃぐちゃだ。


「...」


集中が全く出来ない。

なので私はイヤホンを身に着けた。

それから音楽を流して集中した。

勉強がなかなか捗った。

良かった気がする。



その。

何なんだマジに秀水は。

そう考えながら俺は家に戻る。

それから飲み物を飲み。

アイスを食べた。


「しかし驚いたな...まさか泉が...また引っ越して来るなんてな」


俺は話題を変えながら頭の中で想像する。

泉も俺も恋愛感情は無い。

腐れ縁という感じだが。

それでも嬉しかった。

引っ越し、というか...戻って来てくれていたのが、だ。


「...懐かしいな」


あの頃を思い出す。

それから俺は目を閉じてから笑みを浮かべた。

本当に良かったよなあの頃。

ふと思いながら考えを逡巡させる。

そして泉の顔をまた浮かべる。


彼女だけだった。

俺を当時、助けてくれたのは。

そう考えつつ俺は、ふと秀水の顔を浮かべる。


「...」


秀水はマジに俺を助けたいのかもしれない。

だけど俺は...秀水に対して嫌な事ばかりしている気がする。

それは間違いなのかもしれない。

そう考えながら俺は秀水に電話をしてみた。

すると直ぐに秀水が出た。


「ど、どうしたの?暁月さん」

「ああ。いや。すまん。秀水と話がしたくて」

「え?ど、どういうお話?」

「お前は本気で俺を...救いたいのか」

「...はい。救いたいです」

「...俺はもう一度人を信じて良いと思うか?」

「...そうですね。私は信じてほしいです。暁月さんが私を。私は裏切ったりしません。お約束します。もし私が裏切ったら私は貴方の前で死んでも良い」

「いや。そこまでは...。だけど信じても良いって事だな」


秀水は「私は裏切りが憎いです」と話す。

俺は「...俺さ、知り合いに俺を信じてくれた女子が居てな。ソイツを見ていて思ったんだ。俺はもう一度。歩み出しても良いんじゃないかってな」と話す。


「そうだったんですね」

「ああ。だから俺はお前を信じようと思う。秀水。お前が俺にしてくれた分を返したい」

「私には返さなくて良いんですよ?あはは。...本当に優しい。優しいから...」

「?...優しいから?」

「...何でも無いです。有難う」


それから秀水は苦笑するかの様に反応した。

俺は「?」となりながら秀水に「なら良いが」と返事をする。

そして秀水は「...明日...貴方にまた触れます」と恥じらいながら言う。

何でそんな艶かしい感じで言う。


「しゅ、秀水?」

「うん?何?暁月さん」

「いや。良いんだが。お前な。艶かしいんだよ」

「そう?あはは。暁月さんのエッチ」


俺は額に手を添える。

それからやれやれになりながら机に触れてから椅子に座る。

すると秀水は「暁月さん。私はどんな事があろうとも貴方を守りますから」と言う。

そしてニコッとする様な優しい感じな声で「暁月さんは必ず守ります」と念を押した。


「...」


ようやっと俺はこの言葉を徐々に信頼出来る様になってきた気がした。

そう考えながら俺は「期待している」と返事をしてから「じゃあ。勉強するから」と言う。

すると秀水は「あ、そうなんですね。分かりました。じゃあまた」と声を弾ませて返事をしてきた。


「秀水」

「うん?何?暁月さん」

「...有難う」

「暁月さん...」

「2度目は無い。だけど俺はそう思っているから。これから先のお礼の言葉の予約だ」

「頑張れそうです」

「たかだかこれぐらいでか?大袈裟じゃないか。いくらなんでも」

「私は十分です。大袈裟でも何でもない。有難う。暁月さん」


そして「じゃあ。また」と電話は切れた。

俺はその事に「...」となる。

彼女は...何でこうも。

そう考えながら。

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