第5話 ご褒美
クラスメイトとの交流会として秀水がクラスメイトと一緒にカラオケに行った。
当然、クラスメイトとして扱われてない俺は論外。
俺はその事に大欠伸をしながら家に帰って来た。
それからまた家に帰って来て秀水の事を考えながら大欠伸をしていると。
アドレスを交換した秀水からメッセージが来た。
(上手くやれませんでした)
という感じで、だ。
それはどういう意味だ。
そう思いながら俺は「?」を浮かべながら(どういう意味だ?)と書いた。
すると秀水は(受け付けません。私達。あの人達は)と怒った様なメッセージを送ってくる。
(おい。何をした)
(暁月さんの事で反発しただけです。...そしたら反発し返してきた)
(何で俺の話題を出すんだ。俺はどうでも良いって...)
(違います。成り行きでそうなったんですよ。...そして私は怒った。...私はその場から立ち去りました)
何をしているんだコイツは。
そう思いながら俺は(せっかく仲良くなれる機会だったのに)と書いた。
すると秀水は(良いんです。あの人達と仲良くなれなくても。...私は)と書いてきながら考える像のスタンプを送ってくる。
俺はその言葉に「はぁ...」と溜息を吐く。
(お前はもう少しだけ周りを見た方が良い)
(...良いんですよ。私はどうせ孤独ですしね。...それよりも...)
(?)
(ご褒美下さい)
(...何で?)
(私、貴方の指示に従って...クラスメイトと一緒に行ったんですよ無理して。...だから暁月さんからご褒美が欲しいです)
意味が分からん。
そう思いながら俺は盛大にまた溜息を吐く。
それから俺は(分かったよ。...じゃあ一丁目の緑公園は分かるか)と言う。
すると(いえ。暁月さんの家に直に行きます)と書いて...は?
俺は唖然とした。
(何でだよ)
(私は暁月さんの家に行ってみたいです)
(いやいや。来なくて良いから)
(嫌ですか?)
(...嫌じゃない。だけど部屋が荒れているんだ。...色々あって)
そう...あの女に嵌められた時。
俺は暴走した。
だから部屋が荒れまくっている。
自室だけだけど。
だけど家に人を...クラスメイトを呼びたくない。
穴が空いたのは壁だし片付けられない。
(暁月さん。私は...気にしません)
(...俺が気になるんだよ。...お前が優しいのは分かるけど)
(はい。でも気にしませんよ)
そして言い合いっこをする。
1分間、だ。
いつまでもキリがないので俺が白旗を挙げた。
それから俺の家に集水が来る事になる。
☆
「こんにちは」
「...マジに来るとは...」
女子が家に来てしまった。
正直、アイツ以外の女子が来るのは...暫くぶりだな。
そう思いながら俺は秀水を見る。
すると秀水は「ご家族は?」とお土産みたいなのを取り出す。
「...いや?忙しくて居ないが...」
「あ、じゃあ渡しておいてもらえますか」
「...分かった」
そして家に上がって来る秀水。
それからポツリとこう呟く。
「懐かしい」と。
俺は「は?」と聞くと。
秀水は赤面してから「な、何でも」と笑顔になる。
懐かしいって何だよ。
「ま、まあまあ。行きましょう」
「...あ、ああ」
それから秀水はソワソワしながら。
俺はそんな秀水を客間に通した。
そして秀水を対面に腰掛けさせて「お茶取ってくるから」と言う。
すると秀水は「お構いなく」とニコッとする。
「...」
俺はゆっくりと立ち上がってからリビングのキッチンに行く。
そしてその事によって俺は思い出した。
それもあの女の事を。
俺はその事にイラッとしながらお茶の入った缶をダァンと床に叩きつける。
忌々しい。
客人を呼んだだけでこのザマとはな。
「...クソッタレが」
「何がクソですか?」
背後からそう声がした。
超衝撃を受けて背後を見るとそこに秀水が心配そうに立っていた。
俺に...近付いて来る。
その事に俺は「何で居る」と声をかける。
「大きな音がしたからです」
「...そ、そうか。もう大丈夫だ。戻ってくれるか」
「嫌ですね」
「...な、何で...」
秀水は俺の頬に右手を伸ばして顔を寄せてくる。
その顔は美少女どころじゃない可憐な可愛さ。
アイドル級である。
当然俺は赤面してしまった。
「しゅ、秀水。離れてくれるか」
「...はい」
そして秀水は離れる。
俺はその事に赤面をするのを止めてから秀水を見る。
「ご褒美が欲しいんだろ。お菓子で良いか」と言ってみる。
すると秀水は首を振ってニコッとした。
「...私、お菓子じゃないんです。欲しいの」
「あ、ああ。そうなのか。それは参ったな。じゃあまたかんが...」
「ご褒美は...デートが良いです」
「...は?」
まさかの言葉に固まる俺。
何て言った?
デート?そ...それは男女の付き合いの?
何でだよ!!!!?
「秀水。冗談はよせ。...何でデートなんだ」
「私、冗談は言ってませんよ。報酬は...デートが良いです。お菓子じゃなくて」
「...!?!?!」
何で...俺なんかと。
そう思いながら俺は秀水を見る。
秀水は柔和な顔になりながら「買い物、と言う項目でも良いですよ。私に付き合って下さい」と言ってくる。
何で俺なんだ...。
意味が全く分からない。
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