第2話

「はい、召し上がれ♡」

「おぉ、凄い」

目の前に並ぶのは綺麗な形をしたハンバーグに良い塩梅に揚がった唐揚げ、

炊き立てのご飯。

「いただきます」

口にした途端に、僕は感銘を受けた。

これほどの料理を作れる方がこんな身近に存在するとは。

間違いなくプロの料理人に企及するだろう。

「どう?」

「うん、とても美味しいです」

「それは何より☆もっと食べて☆」箸が止まらない、止められる筈がない。

いつもよりシズル感を感じながら、料理を噛み締めた。

「ご馳走様でした」

「お粗末様でした」

「凄く美味しかったです。本当にありがとうございます」

「ダーリンのためだから、喜んでするよ」

「あの、まだ名前を伺っていなかったので、伺っても?」

「それがね、私名前ってものがないの。だから、ダーリンがつけてほしいな☆」

そう来るとは思わなかった。

といっても、名前をどう付けたらいいか悩む所だ。

ペットに名前を付けるとはわけが違う。

「うーん」

懸命に考えるが、中々いいものが出ない。

頭を必死に使っている最中、一つ候補が出た。

「気に入らなかったら、申し訳ないのですが、すーちゃんとかどうですか?」

「すーちゃん?」

「はい、スネークの頭文字を取ってすーちゃんなのもありなのかなと存じます」

果たして、彼女はどう受け取るか、まっすぐな視線から目を離せない。

途端、彼女は満面の笑みを浮かべた。

「いいね!すーちゃん!気に入った!ダーリンありがとう!☆」

「い、いえ、気に入っていただけ様なら何よりです」

良かった。何事も無かった。

「じゃ、これから私の事すーちゃんって呼んでね」

「わかりました。すーちゃん」

「うん☆」

すーちゃんは上機嫌に食器を洗ってくれた。

洗っている最中、すーちゃんと繰り返し呟いていた。

そんなに気にって頂けたのか。


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