小雪③
「ねぇ、○○持ってる?」
「いや、無いけど作れるから作ろうか?」
「おねがい」
お互いゲームになると会話が淡白になってしまうので、時々会話をしながらお互いがマイペースにゲームをしていた
仕事の話をしている時は、それなりに会話が増える二人だが、基本的な考え方として無理して会話をしたくないという考えを二人ともが持っているので、仕事以外の時はあまり話さない
「そういえば、また俺の使用人がブーメランパンツ持って帰ってきたけどいる?」
今やっているゲームの中ではプレイヤーがNPCを使用人として雇うことが出来る
また、使用人に依頼してワールド内を探索してもらい、めぼしいアイテムを持ち帰ってもらう事が出来るのだが
ブーメランパンツ、甲冑、木の棒、どこの家から持ってきたかわからない庭具
など、扱いに困るものが多い
甲冑に関しては、デザインが良ければ装備するのだが、どれも微妙なものが多く、基本的には分解して他のアイテムに利用しているのだが、ブーメランパンツだけは未だに利用価値が見つからない
一度装備してみたのだが、どこからどう見ても変質者のそれだし、装備することで得られる効果も大したものが無いので、装備をするメリットが一切ないのだ
「いらないわよ、さっさと捨てなさいよそのゴミ」
葉月に関しても同じ意見なので、いるかと言われれば全力で拒否する
だが、それで折れる俺でもない
このゲームでは強制的にフレンドにアイテムを渡す手段が一つだけ存在している
それは、ギフトと呼ばれる機能で、メッセージと一緒にアイテムを送り付けることである
これは、受け取らなくてもずっとポストの中に手紙が入っている状態と同じになるので、ほぼ強制的に相手の手元にアイテムを送り付けることが出来る
(よし、あとは送るだけだな)
「あ、そうだ。もしギフトで渡して来たらあんたの大事に保管してるアイテムをあんたが席を空けている間に捨てるからね」
「…」
俺が席を空けている間、つまり、俺がこの部屋にいない間はあいつは俺のPCを使い放題なのでこれが可能なのだ
しかも、PCを開くためにパスワードを必要にしていても何故か解除されていることが多々あるので、どんな手段をもってしても無駄なのだろう
俺は送る直前だったギフトを取り消し、大人しく作業に戻った
----------------------------------------
今日は短め
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます