第7話 デートのお誘い?
城戸さんとの話しも終わり、今俺は軽い足取りで絶賛帰路に着いている。そんな俺の内心は
(やった!あの城戸さんと友達になれた!)
ウキウキしながら帰り道を歩き、側から見るとハッキリ言って気持ち悪いと言われて差し支えないような笑顔の状態でいると、そんな楽しい時間も終わりを迎えるかのようにあっという間に家の前に着いた。
「たっだいま~」
「おかえり馬鹿兄貴」
「ふぅ、また辛辣だなオイ。まあでも、今日はそんなの気にしないぜ」
「いつも以上に馬鹿だ」
いつも通り─なんならいつも以上に当たりが強いように感じたが─美亜が出迎えてくれたが、なんだか今日は不機嫌なご様子。いったい何があったんだろうか?
「で、馬鹿兄貴。なんかすごい機嫌良さそうだけどなんかいいことあったの?」
「ああ、この前相談乗ってくれてありがとうな。その時の相手の城戸さんと仲直り?…出来て、友達として仲良くやっていこうって話になったんだ」
「ふぅん。良かったじゃん」
城戸さんの名前を出したら、なんだか少し不快そうな顔をしたが、自分が幸せそうに話したら、少しだけその顔も和らいだご様子。なんだか今日の美亜の情緒ジェットコースターみたいだな。
「…美亜、相談に乗ってくれたことに対して俺からお礼がしたいんだけど、なにかしたいこととかしてほしいことある?」
「…2つある。ひとつは私がしたいこと、もうひとつはしてほしいこと」
「ほうほう、どんなこと?」
「まず、今まで馬鹿兄貴って呼んでたけど、『兄さん』って呼んでいい?」
「そんなことかよ。そのぐらいなら全然大丈夫だって」
お兄ちゃんって呼んでも全然いいからね〜…なんて軽口を叩こうと思ったが、恐らくそんなことしたら今の好感度がガタ落ちするに違いないから、ここは我慢してネタに走ることはしなかった。
「ありがとう。で、2つ目。今週末、デー…じゃなくて買い物に付き合って」
「買い物?なにかほしいのあるのか?」
「そろそろ新しい洋服が欲しくて」
「ああ、了解。そしたら、俺からも1つプレゼントするよ」
今回の件は美亜に相談に乗ってもらったのも良い方向に進んだ一因だと思うから、ここは美亜に何かしらお礼の一つはしておいた方がいいだろう。買い物に行くならそのタイミングで買えるからちょうどいいし。
「ホント!ありがとう兄さん」
なんだか急に美亜の声が弾んだ気がしなくもないが、まあいいだろう。それにしても、美亜と買い物か。最後に行ったのはいつぐらいだっただろうか?
***********************
(やった、やった、兄さんとデート!)
優しい兄さんならOKを出してくれると思っていて、やっぱりOKを出してくれた。呼び方も兄さんって呼べるようになった。そして何より今は
(兄さんが私のためにプレゼントしてくれるとか最高!どんなのを貰えるのかな?)
この事がすごく嬉しくて、今日は眠れない気がした。
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