【解説】万引き
この物語は、一見よくある先輩後輩コンビの何気ない日常だったかのように見える。しかし、所々に散りばめられたキーワードを結んでいくと、黒いバッグの女の正体がただの万引き犯ではない可能性が出てくる。
・女は所定の位置でカメラに目を合わせている
・アイス、マヨネーズ、チョコレート
・主人公は女が万引きをした瞬間を見ていない
・女は先輩と主人公を見て異常に驚いていた
・先輩は主人公を早く帰そうとしていた
・先輩から最後に届いたメッセージ
・主人公の前任者が音信不通になり、代行を通して辞職している
こんなところだろうか。
結論から言うと、この物語の真相は、万引き犯の女が違法薬物の売人であり、先輩と店長はその顧客である。万引き犯として捕らえられたフリをして接触し、取引をしていたということだ。
主人公がカメラ越しに彼女と目が合った売り場においてあったもの、アイス・マヨネーズ・チョコレートはそれぞれ薬物の隠語として使われることの多いもの。カメラに目を合わせることで取引の合図を送っていた。
カメラ越しに万引きの瞬間が確認できなかったのは、そもそも商品を盗んでいないから。
先輩は退勤時間の直前に取引をするようセッティングし、捕まえる直前に主人公を帰す段取りであった。そのため女は主人公の姿を見たとき、部外者と接触してしまったのではないかと考え余計に驚いていた。
前任者が音信不通になってしまったのは、取引の存在に勘付いてしまったから。
そして主人公に届いたメッセージは、本来誰宛のものであったか……。
ちなみにリキッドも、隠語として使われることがある言葉である。
さて、返信してしまった主人公は、いったいどうなってしまったのだろうか。
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