第15話 自分の作品への愛情
創作において、他人からの評価や反応に頼らずに自分を支えてくれるもの、それは「自分の作品への愛情」です。自分が書いた言葉や物語に、どれだけ愛情を持てるかが、創作を続ける力になると感じています。他人がどう感じるかは関係なく、自分自身がその作品を大切に思えることが、創作における最も根本的で貴重な感情です。
最初は、私も自分の作品を「愛する」という感覚がよくわかりませんでした。ただ書き上げることで満足し、次のアイデアに進むことが多かったのです。しかし、書き続けるうちに、作品に対して特別な愛着を抱くようになり、「この言葉が生まれたことが嬉しい」「このシーンが自分らしい」と思える瞬間が増えていきました。それは他人の評価とはまったく違う、深い満足感でした。
自分の作品に愛情を持つためには、まず「その作品を何度も読み返すこと」が大切です。読み返すことで、細かな部分に宿る自分らしさや意図に気づくことができます。小さな表現や言葉の選び方に、自分が込めた思いを見つけるたびに、作品への愛情が育まれていくのを感じます。
もうひとつ大切なのは、「作品に対して感謝の気持ちを持つこと」です。作品が形になることで、自分自身が見えてくる瞬間があります。どんなに小さなものでも、創作は自分を知り、表現するための大切な道具です。この作品のおかげで自分の心を表現できた、自分が考えたことを形にできたという感謝を持つことで、その作品がより愛おしく感じられます。
また、「作品を誰よりも理解しているのは自分自身」という自覚を持つことも、自分の作品を愛する助けになります。どんなに細かいニュアンスや、些細な意図でも、それを理解し、感じることができるのは書き手である自分です。そう思うと、自分だけの特別なものとして、作品を愛おしく思えるのです。
自分の作品への愛情は、創作のエネルギーそのものです。他人の評価に頼らず、自分がその作品に対して誇りと喜びを持てることで、創作は真の意味で自分のものになります。作品に愛情を注ぎ、自分自身を深めていくことで、創作の世界はより広がり、豊かなものになるのです。
たとえ世に評価されなくても、自分だけが知っている作品の価値がある。その価値を感じられることが、自分にとって何よりの報いです。今日もまた、自分の作品に愛情を込めて、言葉を紡いでいきたいと思います。
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