第6話 自分の言葉を信じる

創作を続ける上で、自分の言葉を信じることは非常に重要です。しかし、自分の書いたものに自信を持つのは、決して簡単なことではありません。特に、他人からの評価や批評が頭をよぎると、「これで本当にいいのだろうか?」と迷ってしまう瞬間があるでしょう。それでも、自分の言葉を信じることができるかどうかが、創作の自由さと深さに大きく影響します。


かつて、私も自分の言葉に対して不安を感じていました。「もっと上手く書ける人がいる」「こんな風に書いたら読者に伝わるのだろうか」といった不安が、言葉をつむぐ手を止めさせることがありました。でも、ふとした瞬間に気づいたのです。どんなに考え抜いても、自分以外の誰かの言葉を使って自分を表現することはできないと。


自分の言葉には、自分にしか表現できない何かが宿っています。他人のスタイルや表現方法を模倣しても、それは「自分の声」にはならない。自分の心から生まれた言葉であるからこそ、それは真実味を帯び、誰かの心に響く可能性が生まれるのだと感じるようになりました。


自分の言葉を信じるということは、少しずつ「自分自身を認めること」ともつながります。完全でなくても、完璧でなくても、その言葉が自分の心から出てきたものであれば、それでいいのです。書くたびに少しずつ自分の声が明確になり、自分の表現が形になっていくことを感じる喜びが、次の一歩を後押ししてくれるのです。


批評を恐れず、自分の言葉に確信を持って書き続けることができるとき、創作はより自由で豊かなものになります。他人の評価に左右されず、自分が信じる言葉で書き続ける――それが私にとって、真に意味のある「自分のための創作」なのです。

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