第5話 自己表現の喜びを知る
創作を続けていく中で、私がふと気づいたことがありました。それは「書くことそのものが楽しい」という、純粋な喜びの感覚です。言葉を紡ぎ、自分の心の中にある感情や想像を形にしていく過程には、言葉にできないほどの充実感がありました。他人に見せるためではなく、ただ自分のために、心のままに書くことができる――それは、どんな評価や反応とも違う、心からの満足感を与えてくれるものでした。
最初は、言葉がどこかぎこちなく、伝えたいことがうまく形にならないもどかしさがありました。何度も書き直し、自分の言葉を見直すたびに、「本当にこれでいいのか?」と自問自答しました。それでも、手を止めることなく書き続けているうちに、少しずつ言葉が自然に流れ始め、表現することが楽しくなっていったのです。
やがて、私の中で「書くこと」が「伝えること」以上に「自己表現そのもの」になっていきました。誰かに理解されることや評価されることを目的とするのではなく、自分自身を知り、感じるための行為としての執筆。そこには、他者からの承認を超えた、もっと深い満足感がありました。
自己表現の喜びは、自分の心に正直であることから生まれます。書くことで、自分が何を考え、何を感じているのかを確認し、より深く理解することができる。それが、他人の意見に左右されない「自分のための執筆」へとつながっていくのです。
今では、書くことが「自分の世界を広げる旅」のように感じられます。どんなに小さなことでも、自分が感じたままを表現することに意味がある。創作を通して、私が自分自身を見つめることで見えてくる新たな景色――それを、これからも追い求めていきたいと思います。
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