第19話:ラジ〇ンダリ?
先輩を家まで送り届け、その後、電話をしながら料理を進め、話しながら一緒に食べた。もちろん先輩からは出来栄え最高な写真がアルバムにアップされ、僕が作った方の写真も追加させられた。
一度お風呂に入るために通話を切ったが、松平先輩は最後まではお風呂の中でも通話がしたいと駄々をこねた。
僕の精神が持たないので、となんとか説得して通話を終えた。
先輩がお風呂から上がってきて、ふたたびベッドの上で寝転びながらの通話。
今日も楽しかったね!
試食も初めてだった!
でも、予定になかった買わなくてもいいソーセージまで買っちゃったねと2人で笑った。
いつしか先輩の声がとろんとしたトーンに変わり、言葉も途切れ途切れになり、寝息が聞こえてきた。
(寝ちゃったかな?)
「おやすみ先輩。今日もありがとうございました。また明日」
と囁いてから電話を切った。
それからというもの。
水曜日は松平先輩がシフトに入っていてお迎えにいって帰りを共にして、
木曜日は2人ともおやすみだったので、久しぶりに一人で学校からそのまま帰宅して勉強するなどして過ごした。
その夜には、寂しい、ごめんなさいと、か細い声で電話がかかってきて、松平先輩が寝るまで他愛もない話しをした。
そして翌日の金曜日。
朝から先輩のメッセージが入った。
『今日は一緒にアルバイトだから嬉しいね!
早くアルバイトの時間がこないかな?
終わったら今日も一緒に帰ろうね!』
(かなり打ち解けてくれているのか、文面も若干砕けてきてくれたのかな?こんなことですら嬉しくなってしまう僕って、かなりチョロいのかな?)
▶︎金曜日の帰り道
学校では渡辺くんが相変わらず絡んでくれて、渡辺くんがいない休み時間には松平先輩とLINEをして、あっという間に下校時間になった。
自転車置き場にパンタを迎えにいくと、渡辺くんが待っていた。
「よう!ゆーが!今から帰るのか?」
「うん!渡辺くんは部活だよね?」
「そうなんだけどさ?今日はサボっちゃおうかなと思ったり思わなかったり」
「ラジ○ンダリ?」
「古いよ!生まれてねえよ!」
腹を抱えて笑う渡辺くん。
「え、多分生まれてはいるでしょ?」
「にしてもなんで知ってんだよってレベル」
と、大笑いを続ける。
「そういう渡辺くんだって知ってるじゃん」
「Utubeで見たんだよ!」
「僕も」
顔を見合わせてあらためて2人で大笑いした。
「あ〜くっそおもしれえ〜。ゆーがは今からなんかあるのか?」
「ごめん、今日はバイトなんだ」
と謝る。
「なんも謝ることはねーよ!じゃあ真面目に部活でもいってくっかぁ!今度空いてる時にでも一度付き合ってくれよ」
僕の肩をポンと叩いて体育館の方に向かっていった。
「よしパンタ!バイトにいくよ!」
店に向けてパンタを快調に走らせた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます