第一の事件: 第一の事件:爆破アナフィラキシーショック密室殺人事件②
私は精神世界に入った。水平線の無い、周囲が真っ暗な空間。某バトル漫画の精神と時の部屋を真っ黒なバケツツールで塗りたくったような・・・その”
さて、密室と報告書には書いてあった。確かにこの事件は密室に違いない。現場に残された焼死体は
昨日から今日にかけて、現場周辺に飛び散った爆弾の破片が分析されたが、分析結果から最新の小型爆弾が使われたらしい。
小型爆弾、チワワのキツネちゃん、アナフィラキシーショック密室・・・
私は頭の中でその胡乱なワードたちを反復する。
小型爆弾チワワのキツネちゃんアナフィラキシーショック密室!
そうだ!チワワに小型爆弾を括り付けたのではないか?
そして、オオスズメバチもなんらかの方法で・・・
そういえば、建築アーティストである一さんは虫と暮らす家というのをコンセプトに虫が通る穴を壁に開けて、虫を誘き寄せて眺める家を作っていた。
精神世界”
次は、チワワのキツネちゃんにどう小型爆弾を付けたかが問題点としてあげられる。が、それはすぐに解消した。立体映像を回転している際に、ドアに違和感を覚えたのだが、拡大してそこに、ペットドアがあることが判明したのである。ということはだ。チワワのキツネちゃんを餌かなんかで誘き寄せて、首輪に小型爆弾を仕込み、ペットドアから家に戻したら、ドーンっと爆破は可能なのだ。
虫穴とペットドア、この二つの抜け穴を利用して、クライム・フリークは、完全犯罪を成し遂げたのだ。
そういや、クライム・フリークは何で一さんが一度蜂に刺されていたか知っていたのだろうか?アナフィラキシーショックはだって二度刺される必要が・・・
そんな考えが浮かび始めたとき、私は叩き起こされた。もちろん叩いたのは、シャンだ。気の力で隣の壁から私にしか伝わらない振動を起こして私を起こしたのだ。いつもこんな感じで急用があるときは起こされるのだが、振動は正直、しんどいから勘弁してくれと思う。気を使う前に気を遣えよ!
シャンは畳の部屋に入ってきて無言で、A4用紙の束を渡してきた。その表紙には『私之推理』と書かれていた。私と一緒に多重解決をするつもりなのだろうか。一読すると、推理内容は概ね私と一緒だったが、一カ所だけ違った。毒についてである。オオスズメバチのアナフィラキシーショックを一さんは起こしていたのだが、シャンの見解だと、犯人はアナフィラキシーショックを一度で起こす特殊な毒を作って、オオスズメバチの針に塗って刺させたのだという。どうやら、一さんは三ヶ月に一回健康診断や血液検査、アレルギー検査を行っている健康オタクぶりだったのだが、数週間前の検査では、全くもって異常は出ていなかったのである。つまり、一さんは今まで蜂に刺されたことは無かった可能性が高いのか。そして今回一回刺されただけで倒れた。シャン・・・あんたはすごい。けど、それを知っていてなんで最初に教えてくれなかったんや!私は心の中でそうキレた。
とにかく、事件は解決した。私は自宅マンションから出て私の知り合いの警察と直接喫茶店で会い、情報提供した。そして、クライム・フリークの足取りを教えてもらった。クライム・フリークは現在関西を拠点としているらしい。私も関西に今住んでいる。奴が近くに居る!私はそれに運命というものを感じ得た。クライム・フリークは今月九十件の事件を起こして、現在は何もしていないらしい。九十…九十…くじゅう…苦渋…奴らしいセンスだ。
絶対にお前の正体を暴いて追い詰めてやるからな!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます