第8話
さて、土地も耕したことだし種を蒔くか。
私の想像通りならいける、はず。
「子供達、この種をこの土の中に適度に離して入れてくれないかい?」
種を渡し、撒き方を教え、子供達に任せる。
時空魔法で時を早めたいが、水分や日射などはどうなるんだろう?と考えたが、そもそもレオンはこれだけ魔力が人並み外れているのに時空魔法しか使えないのか?勿体無い。
テキストを開き、魔法の部分をタップする。
魔法取得の画面が出てきた。
時空魔法は既に全て取得しているようだ。
中にはゲームにも出たことのない魔法名も結構ある。
下にスクロールすると、水魔法の項目を目にする。
アクアジェットという魔法にコストが150必要だそうで、現在魔法テキストの項目の上には残コスト600と出ている。
取得はできそうたな。
これがゲームの世界とシステムが同じであれば、魔法を使用した分だけコストを取得でき、取得し貯めたコストで新しい魔法を発現させるというシステムだ。
私はテキストを呼び出し読んで使う事はできそうだが、ルークは先ほど頓珍漢な顔をしていたので現実では私だけに適用されるのかもしれない。
普通に最近まで接客業のプロをしていたのであったのだから、この世界の流れを体感していない私にとってこのシステムは助かるばかりだ。
『アクアジェット』
威力を抑えながら全体に降り注ぐ雨のように魔法を放つ。
先程のグラビティもだが、頭での想像で強弱、調整ができるようだ。
これも非常に助かる。最早こうでないと一般人の私では無理だったろうから。
アクアジェットを維持しつつ、その場の速度を加速させる時空魔法を放つ。
『アクセラレーション』
元々は仲間に放ち、某人気ゲームのヘイ◯トのような効果なのだが、自然というそのものに効果は及ぶのだろうか。
今上空は太陽が天辺まで上がっている。
ちょうど正午過ぎだろうか。
時計とかあるんだろうか。
店はどうなっているんだろうか。
来週うちでプロポーズしてくださった方の結婚式の打ち合わせがあるんだった。
サブチーフあたりが気を使って接客してくれるだろうな、、、、、
「..,長!団長!!前!前!!!」
、、、五月蝿いな、ルーク。少しくらい感傷に浸らせてくれ。冷静に現状把握する時間もなかったんだから。
と正面を向くと
なんかすごくいい感じに生い茂ってるじゃないか。
「すごい!あっという間に作物が育っていきました!魔法ってすごいんですね!!」
「あぁ、凄いな本当。やってる本人も驚いてるけど、でも、やはりこうなるかぁ。」
目の前には先ほど植えた種だろう。青々した葉が大きくなっている。あの感じはジャガイモだろうか?ただ、無理やり時を早めた弊害だろう。周りに雑草も生い茂り、大変なことになっている。
「ルーク、そのジャガイモの葉のようなのを抜いてみてはくれないか?」
「はい!行きます!」
ルークが勢いよく引き抜くと、それはそれはご立派なジャガイモが幾つも連なり土から出てきた。
「すっげぇ!さっき蒔いた種がもうこんなに大きな実になるなんて!魔法ってやっぱり凄いですねー。
、、、こんな事が出来るのなら貴族の奴らもやってくれりゃあこんな大変な事にはならないんじゃないんですかね??」
「いや、この魔法は俺にしか使えないようで他の貴族では同じ事はできないだろうな。そもそも彼等が泥臭い事を率先してするとは思えん。」
「そうですよねぇ。家畜のやる事に何故我々が貴重な魔法を使わなければいかんのだ!とか言ってきそうですね。」
「そういうことだ。さぁ、ルークと子供達はその作物の周りの雑草の草を綺麗にむしってくれるか?綺麗に出来たら今日はこのジャガイモを使って腹いっぱいに食べさせてあげるから。」
歓喜したルークと子供達は率先して草むしりを始めた。
「ミュゼ、君にはこのジャガイモの調理の仕方を教えよう。こちらの知識と私の知識の相違点があるのかも確かめないといけないからね。」
「はい!、、、こちらの知識?」
「気にしないでくれ、さぁ行こうか。」
ミュゼと二人でキッチンへ行き、こちらの世界の調理法や、香辛料など一通り確認しながら調理を始めるレオンであった。
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