第4話 女大生とアップルパイ

笑った彼女の笑顔は余りに耽美、

笑わなくても甘美で私は恋に落ちた。

赤エプロンの彼女が彼に声をかける

どうやら知り合いの様、それもそうだろう

毎日彼はこのコーヒー屋に来て勉学に励んでいるし同じ注文を繰り返せば誰だって相手の事を覚える。

赤エプロンの彼女のが彼に冬の新作コーヒーを薦めた、その光景を見て私は少し嫉妬する

私は赤エプロンの彼女に気があるからだ

彼では無く私に薦めてくれれば良いのに

羅生門の老婆の様に醜い心に支配される。

心を落ち着かせるが為だけに、

もう冬だというのに私は西洋林檎焼きを無口に頬張る。

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