第3話 黒コーヒーと赤エプロン

コーヒー屋で彼と私は夢について語り合う。

彼の夢は医者だ、医者と言っても優秀な医者になるだろうそれに比べ私の夢を夏夜の下で頬張る綿菓子みたいに掴み所の無い淡い夢

彼は私の話を聞くといつも豆鉄砲でも喰らった鳩の様な顔し笑って聞いてくれる。

どんなにくだらない話でも

彼にとって私の話は夢物語なのだ

私は彼の笑顔を横目に得意では無い

黒ビターなコーヒーを啜る、

あまりに苦く尻尾を踏まれた猫の様に椅子から跳ね上がって声が出た。

余りに素っ頓狂な声の為コーヒー屋の若い赤エプロンの女大生がふふっと笑った。



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