第3話 ロリコーンとロリ
「アバー……」
目を白めに、髪をアフロに変え、煤だらけになり、口から煙を吐き出す人攫いの男たちだが……死んではいなかった。
「殺しはしない……ロリの前ではな」
バサリ……
男たちは膝から崩れ気絶をかました。
そう言うとロリコーンは握った拳を緩め背後にいたロリの方を振り返った。
「もう安心していい。君を追いかけ回していた者たちは倒された」
「ああ……ああ………」
彼女の顔には、ホッとしたという気持ち半分、目の前にいる正体不明の何カに対する恐怖半分と言った感情が渦巻いていた。
「ピピっ……むっ、アンモニア検知……」
目の前に移る情報を目にしたロリコーンは幼女の股下に水たまりが広がってることに気が付いた。
「なるほど、怖くて漏らしてしまったのか。仕方ないだろう、悪漢に襲われるのは恐ろしい経験だからな」
「あ、え……きゅう」
「うむ、気絶するのも致し方なかろう」
何か言いかけて気絶したロリをお姫様抱っこしたロリコーンはくるりと周りを見渡した。
「しかし、この子の親御さんは一体どこに……殺されてなければいいのだが……」
最悪を想像しロリコーンはしばし顔をしかめた様な……いや、こいつ顔動かねえんだ。ロボットだから。機械だから。
「今すぐ彼女の親御さんを探しに行ってもいいだろうが、何も情報が無い今、この森の中では親御さんを探すのは難しいだろう……我がロリコーンサーチも、ロリータではない親御さんを探すのは不可能だ」
そう言ってロリコーンは、ロリとヘンターイにしか反応しないレーダーを閉じる。
「とりあえず、いったん我が仮基地に連れて行き、起きるまで時間を潰すのが一番良いだろうな」
そう結論を出したロリコーンは来た道を引き返していく。
森を越え、川を越え、開けた場所にたどり着く。
そこはまるで直近で山火事でも起きたかのように木々が炭化したような場所であった。
そんな場所の中心点。
そこにロリコーンが基地としている場所がある。
それは正に、墜落した赤と白の鮮やかな塗装は炭で黒く汚れた宇宙船だ。宇宙船の……おそらく後部部分であっただろう場所は折れ、メタメタにちぎれていて、今は宇宙船の機首部分しかない。
ロリコーンはちぎれば部分にある扉から中に入る。
中はおそらく居住空間であるだろう場所が広がっているが、おそらく墜落の衝撃によってだろう、ぱっと見で分かるほどボロボロだった。
中は暗く、ちぎれた配線が天井から垂れ、時折電気の火花を散らしている。
床には瓦礫と、ロリコーンの私物であろう漫画やお菓子、ロリのフィギュアなんかが散乱していて足の踏み場が無い。
「……掃除しなくてはならないな」
ロリコーンそう思いつつ、床に落ちたフィギュアや漫画を踏まないようにして、部屋の壁に凹むようにしてある自分のベッドにロリを寝かせた。
「自分のベッドにロリが寝ている……最高だな」
そう言って少し上機嫌に呟いた彼は、ロリの目が覚める前に少しは綺麗にしておこうと部屋の掃除を始めたのだった。
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