第2話 登場、謎のロボ
流星が流れた日から10日後……
特に何かが起こるでもなく、ウェルトランドの時はいつもの様に過ぎていた……
ウェルトランドの四大大陸の一つ、シルフ大陸。
その西部に位置する巨大な森林地帯。
エリアス大森林もまた……
「ヒャッハー!!まてよ~!子猫ちゃん!さっさと諦めて大人しくしてれば、ちょっとは良い奴に売ってやるからよ~!」
「逃げ続けるんだったら、変態貴族様に売っちまってひどい目に会っちゃってもしらないぞ~?」
平和とは程遠い光景が広がっていた。
「はぁ……はぁ……」
彼らが血眼になって追っている者、それは息を切らし、傷だらけになって走っている白髪の少女……否、幼女だった。
歳は、おそらく12歳前後。
髪は腰まで伸びるほど長く、整った幼い顔立ちは恐怖と焦燥感にあふれている。
そんな彼女の耳は長い……そう、彼女はエルフだった。
エルフである彼女は、何時もの集落の近くにある森にきのこを取りに行っていた。
しかし、運悪くその時偶然人攫いの集団と遭遇してしまい……そして今に至るのだった。
幸い、ここは彼女のホームグラウンド。
だからこそ大人である彼らから、子供である彼女は逃げに徹することができるのだが、おそらくもう時間の問題だろう。
「つかまえ……」
「やだ……っ」
彼女の息は切れ、足は棒のよう……距離はだんだんと縮まり、もう少しで人攫いの男の手が届く……その時だった。
森の中、ぽっかり空いた日が差す空間。
そこに黒く大きな影が落ちる。
「まていっ!トウッ!」
巻き上がる砂埃。
突然空から降ってきた何か……否、何者かを見て、人攫いたちは警戒心をあらわにした。
一体誰が?もしかしたら、親が来たのか?
そう思っていたが、ゆらりと揺らめくシルエットを見て、そうではないと、男たちは思った。
エルフ……否、このウェルトランドの星では見たことが無いシルエットだ。
「何者だぁ??テメェ!」
そう言われた人物はゆっくりと立ち上がる。
「何者か……か」
砂埃が徐々に晴れその姿が明らかになるごとに野党たちの困惑が深くなっていく。
それもそのはずだ。その姿は、このウェルトランドには存在しない……『スーパーなロボット』の姿をしているのだから。
「ロリを愛し、ロリを守りし者、そう我が名は変革戦士ロリコーン!未来を守る超戦士だ!」
ジャキ―ン!!
とどこからともなく聞こえてくる効果音と共にポーズを決める、変革戦士ロリコーンを名乗る謎のロボット。
あまりの事にその場にいたすべての人間たちからしばしの間言葉が消えた。
唖然とした……と言うしかないであろう。
「はぁ!?変態紳士……だと!?」
「否!我は変革戦士っ!幼子を襲うヘンターイを倒すために銀河の果てからやってきた勇者だ」
そう名乗るとロリコーンは幼女の方をクルリと振り返る。
「ひっ……!?」
「もう大丈夫だ、私が来たからには君を………」
「こ、こないでっ……!」
そう言って幼女はロリコーンを見て恐怖に顔をゆがめた。
「全く。ひどいものだな、このようなロリを怯えさせるなどと」
明らかにロリコーンに怯えているのだが……彼はそのことに気が付いているのかいないのか……
兎も角、ロリコーンはそう言って立ち上がり、その緑に光る瞳で人攫いたちを睨みつけた。
「ロリは正に銀河の宝。その宝を傷つけ、恐怖に陥れる者を……私は絶対に許さん」
「はっ!変革戦士か変態紳士かそんなのどうでもいい!大人しくそこを退け!退かないなら……」
「退かないなら、どうするというのだ?」
「こうするのさ!フレイムバレット!」
そう言うとナイフを持っていた男が手から炎の玉を放つ。
放たれた炎の玉はロリコーンへ向かいその体へと着弾したが……
「涼しいな」
「は!?」
そう言うとロリコーンは何事もなかったかのように歩き出す。
一歩……一歩……
「な、嘘だろっ!フレイムバレット!フレイムバレット!おい!お前らも魔法を使え!」
「はっはい!ウィンドカッター!」
「ウォーターボール!」
「ロックランス!」
そう、男たちが魔法を放つがロリコーンはその足を止めない。否、止められない。
「我がロリハルコンの鎧の前では、貴様らの攻撃などちり芥に等しい」
「オリハルコンだと!?」
「否、ロリハルコンだ」
気が付けばロリコーンは男たちの目の前に立っていた。
男たち……よく鍛えられていて、皆180cmという高い高身長。
だがそんな男たちと比べ、ロリコーンは更に頭一つ以上高い。その体格、まさに巨人。
240cmの巨体を持った、赤い戦士だった。
「我が体を作るロリハルコン……ロリハルコンはロリを愛する心……ロリを守る心、ロリからの応援によってその力を数十倍にも、数百倍にも高めるのだっ!今私は、ロリを守る使命に燃えているっ!その力正に結城百倍!」
そう言うとロリコーンは右腕を引く。
赤いエネルギー……可視化されたロリパワーがロリコーンの右腕に集まる。
「ロリを狩り、ロリに害をなそうとする鬼畜たちよ。覚えておくがいい……我がいる限り貴様らヘンターイをロリに指一本触れさせん!」
「ま、まてっ!?」
「ひっ、にげろーー!!」
「くそっ!」
怯えすくむ者、逃げようとする者、悪態をつき、億分の一にも満たない可能性に掛け攻撃する者……
悪漢たちが各々の行動をとるが、まさに無意味。
「必殺っ!ロリコーン・マキシマム!」
「「「「ぎゃあああああ!」」」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます