心配
暴れだす膀胱のせいで、朝から散々な目にあいました。
ところでわたしと圭太は、朝も一緒だけど帰りも一緒なの。
仲良しって思われるんだけど、ほんとうは…
わたしが方向音痴だから、圭太が慣れるまで一緒に行こうか?って言ってくれたの。
なんて優しいのかしらね♡
ふわふわのタオルくらい優しいわ♡
そんな優しい圭太に包み込まれたい…。
来世は、春巻き決定ね。
…あ、でもそれって巻かれているのは
じゃあ、餡になればいいのかしら?
餡…
肉とか野菜?
…
あ、圭太が春巻きの皮でわたしが餡になればいい?
でも、春巻きの皮って…何枚もあるからほかのやつにもわたし…包まれるってこと⁈
春巻きの皮一枚にたいして、餡の量…多いわね…
比率どうなっているのかしら…
そもそも、まずニラになる?
それとも…キャベツ?
でも…白菜派の人もいるし…
…
わからないから、調味料でもいいかしら?
塩とか?
⁇
もう、まったくわからないわ…。
わかりやすく腹巻きでいいわね。
あ、腹巻きは…巻く方だったわ…。
…
そんなわけで、来世どころか今世でもグダグダの有様なの。
ありさま〜。
ありんこさま〜?
わたしは…だれをお呼びたてしているのかしら?
⁇
もう、カスタネットを思いっきりカタカタ鳴らして駅構内を走り回りたい気分よ。
なぜマラカスじゃないのかって?
それは…
両手だと重いし、腱鞘炎が痛むじゃない。
カスタネットなら、片手でパンパンだからね!って、そんなくだらないことは置いておきましょう。
それよりも、わたしは優しい圭太に彼女ができてしまわないかがとても心配。
巣立つ鳥を見守る母くらい、心配度マックスなの。
いや、例えが悪いわ…。
巣立っては、いけないの。
カムバ〜ック‼︎ウェルカ〜ムなわけよね。
でも、どうしたらいいのかしら…。
いっそ、わかりやすい告白しちゃえばいいやん?って思われる方々もいるわよね。
でも…でもよ‼︎
フラれたくない…。
だから…怖くて告白なんてできないのよね…。
でね、わたしは思ったの。
今のままがベスト‼︎って。
でも…
それじゃあ彼女ができてしまったら…ってなるわけなのよね…。
エンドレス…負のループ…。
丸をかいて、ずーっとその中をぐるぐるぐるぐるしているおバカなわたし。
…
前世は、ハムスターだった気もしないでもないわね。
丸いカラカラをずっと走り続けるハムスターは、かわいいわよ。
あ、前世の自分をかわいいなんて…わたしってば、かわいいわ♡
…
こんなに話が脱線しているから、いつまでも恋が発展しないのよね…。
だれかに相談しようかしら…。
そうね…わたしがいつも困ったときに相談する人は、もちろん圭太なのよね。
ここは、人ごとみたいに相談してみるってのもアリだわね。
…でも、なんか難しい感じがするわ。
そんなこんなで考えすぎて、帰りの電車で軽い頭痛に見舞われたわ…。
「なんか頭痛いかも…」
なんて思わず心の声が漏れたわ…。
電車で小言のお漏らしをしてしまいました。
「え、頭痛いの⁉︎大丈夫?薬は⁉︎」
…
圭太は、とても心配症なのよね…。
「あ、そんなに痛くないよ。大丈夫」
って答えたの。
そしたら圭太は、安心してくれたんだけどね…。
わたしは、偏頭痛持ちで酷いと吐いてしまうのよね。
幼馴染だから、なんでもわたしのこと知っている圭太。
電車で吐いたら大変ってなったっぽいわね。
まぁ、頭痛なんて週二回くらいのサイクルでやってくるから慣れっこなんだけどね。
とりあえず、かがんだり動きまくらなければ大丈夫なんだけど…
なんかこれは…悪化しそうだと思って、わたしはこっそり駅のトイレで薬を飲んだの。
圭太には、内緒でね。
心配されること間違いなしだからね。
そして、なんとか無事に家に帰り、急いで入浴をしてヘッドスパをして、悪化しそうな頭痛を逃れたの。
あーよかった〜。
おかげで、次の日はピンピンの元気ピンピンよ!
今日も朝から学校へ向かうのです。
電車で揺られガタゴトガタゴト。
…
…それにしても、寒いわ。
もうすぐ夏に片足を突っ込もうとしているのに…寒い。
手足が冷え冷えで…こうなるとめっちゃ眠くなるのよね。
椅子に座れる日は、目をつぶれるけど…
でも、朝から立ったまま目を瞑ると…揺れたら三メートル先まで転がりそうな勢いなのよね…。
あー、寒い…眠い…
そんなわたしをみた圭太が、
「どうしたの?調子悪いの?」
って心配そうに聞いてきたの。
だからわたしは、
「ううん。ちょっと眠かっただけだよ」
って、笑ってみせたの。
そんな表情をみせたから、安心したような圭太。
ほんとに圭太って、わたしの少しの変化も気づいてくれるのよね。
もしかして圭太って…
…
エスパーなんじゃないかしらっ⁉︎
「ねぇ、圭太!」
わたしは、隣にいた圭太に質問してみたの。
「なに?」
って答える圭太にわたしは、ワクワクしながら、
「わたしは、今なにを考えているでしょうか?」
って聞いたわ。
そしたら
「うーん…早く学校につかないかなー?とか?」
って答えたのよ。
…
あー…わたしったら、とくになにも考えていませんでした…。
とにかくエスパーなのかと思ってワクワクしすぎたわね…。
「ブブーッ。とくになにも考えておりませーん」
っていうと圭太は、
「ふっ…なんだよそれ」
って笑ったわけよ。
トゥクン♡
ふっ‼︎って笑う圭太にわたしは、キュンキュンです‼︎
あの、不意打ちのふっ‼︎ってなんなんですか⁉︎
ふふって笑うこともあるんですが、わたしのハートがめっちゃくすぐられるんです‼︎
心のハートを触ってもいないのに…くすぐられるとかって…
やっぱり圭太は、ただものじゃありませんねって確信いたしましたよ…。
そんなこんなで、圭太のおかげで眠気も吹っ飛んで、あっという間に学校につきました。
圭太…
すごいわ。
ほんと…すごすぎる‼︎
もうさ、もう…抱きしめて欲しい‼︎
ふふっていいながら、今すぐ抱きしめてーー‼︎って、圭太の後ろ姿みながら大騒ぎしたわよ。
心の中でね。
でも…
わたしには、圭太の彼女になる資格なんてないの…
だって…だってわたしは…
…
わたしには、とある爆弾があるんですもの…。
それにしてもよ…
さっき冷えたからお腹が痛いわっ…
教室に入る前に、トイレトイレ〜…
続く。
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