暴れる膀胱
あさ、携帯の目覚ましで目を覚ました。
いや、正確には目覚ましの音で蘇ったとでもいいましょうか。
眠ると脳みそが休んでいたせいか、一瞬記憶喪失になる。
ううん。
寝ている間は、ほんとうにずっと記憶がないくらい無‼︎っていう感じ。
一瞬どころの騒ぎじゃないわね。
目を閉じるから?
何も見えないから?
真っ暗だから無…なのかしら…?
わからない。
とにかく世の中わからないことだらけ。
とくに数学。
まったくわからないわ。
…
ピコンピコン
携帯が十分おきにわたしをお呼びたてする。
…
とりあえずアラームを全解除して、起き上がった。
目覚めがいいわけでは、ありません。
ただ、トイレに行きたかった。
それだけなのです。
あー、眠い…。
朝と夜の眠さ交換ってできないのかしら…。
とりあえずトイレに行き、昨日なぜ寝つけなかったのかを、一人反省会することといたします。
テーブルにお紅茶をコトリとおいて、お紅茶すすって反省会。
…
昨日眠れなかったのは、お紅茶を飲んだからよね。
そして今すすったのは…お紅茶よ…?
てことは…今夜も眠れない確定ね。
…
それは困ると言うことで、幼馴染の圭太に相談してみることにしたわ。
朝イチ、圭太の部屋へと一目散で向かったわ。
圭太の家は、朝新聞をとったら基本玄関の鍵があいているからね。
おじゃまいたしまーす‼︎
元気よく、圭太のおじちゃんとおばちゃんにご挨拶。
そして…
コンコン
「圭太ー…わ〜た〜し〜。天ぷら子よ〜」
と、ドアの隙間から覗き込んだ。
圭太は、一瞬驚いたけどまたあいつかってすぐに脳みそがお知らせしてくださったみたい。
伝達のお早い脳みそさんですこと。
「おはよう、圭太の脳みそさん」
「…いや、直接オレの脳みそに話しかけんなよ。」
「あー、そうなんだ。なら、皮と骨をまとった圭太おはよう」
「普通におはようでいいから。」
…やっぱり、ああいいえばこういうわね。
「ところで朝からどうした?まさか今何時とか、今日って何曜日だっけ?って聞きに来たの?」
なんていうのよ。
そんなの…携帯みればわかるわよね。
「違うの。今日は、相談が、あって…」
「相談?」
「はい、そうだんです。」
「え、今…そうなんですと相談です混ぜたよね?」
「はい、そうだんです。」
…
「で、朝からどうしたの?コワイ夢でもみた?ハグして落ち着かせてやろうか?」
なんて言いながら起き上がる圭太。
してほしい…
ぜひ‼︎お願いしたい…。
でも、それは…言えませんよねー…。
だって…わたしは、おにいさまを好きって設定なのですから…。
自滅のおバカ
「あの、そうじゃなくて…夢は、サルと温泉に浸かる最高な夢だったのですがー…実は…ここだけのはなし…わたし…昨日お紅茶を飲んでカフェインが大騒ぎして眠れなかったんですよ。なのに…今さっき…ウッ…グスっ…そのっ…またお紅茶を飲んでしまって…」
と、泣きまねしながらお話ししたんですよ。
泣いた方が相談されてるって感じするでしょ?
親密になれるし?的な感じでね。
そしたら、圭太は
「あーなら、水たくさん飲めば薄まるんじゃね?」
っていってきたのよ。
「なるほどね‼︎ありがたし‼︎幼馴染‼︎」
っていってわたしは、家に帰りたくさんお水を吸収したわ。
ふふん!
やっぱり圭太ってば、頼りになるわね。
お礼に頼り繋がりで、便りでもかいて差し上げようと、かわいいかまぼこの便箋を取り出して、ありがとうってかいたわ。
そして、お紅茶を手に少しつけて便箋にピッピッってふりかけたわ。
そしてかまぼこのかたちの封筒に入れたわよ。
ピンクのかまぼこって、やっぱりかわいいわね。
すぐさま圭太に差し上げてくれたわよ。
圭太は、茶色いシミみたいなのなに?って聞いてきたの。
だから、
「これはお紅茶のにおいをまとわせたのよ?いい香り付きの便箋なんて女子力高いわねー。わたし♡」
っていったわけなの。
そしたら、圭太ったら…
においをかいで
「これって…飲みかけのやつじゃないよねぇ?」
っていうのよ?
飲みかけに決まっているじゃないのね。
まったく節約って言葉を知らないのかしらね?
エコよね。
非エコ人間がこんな近くにいるなんて知らなかったわ。
そもそも自然破壊していたのは、あなたかしら?って思ったわよ。
「あ、飲みかけまだあるけど飲む?」
って親切心丸出しでお裾分けしようとしたら、
「いい」
ってお断りされたわ。
まったく遠慮深いんだか、なんだか…なんだかんだね。
そうこうしているうちに、学校に行く時間よ。
また急いで家に帰り、残りの紅茶をすすって、水もたくさん飲んだわ。
そしたら…とにかくおトイレに行きたいわけよね。
まったく…
朝から、全てを水に流したいって思ったわよ。
そして水に色々流して、圭太と学校へ向かったの。
まぁ、細かく説明すると…ひとまず駅に向かったってわけなのよ。
歩いているとまたトイレに行きたくなってきたわ…
…
「圭太は、膀胱が大きくていいわね。」
「いや、菜美華が朝から飲み過ぎなんだよ」
っていわれたのよ?
わたし…飲んだくれババアみたいじゃない?
そんな高校生いないわよ。
てか、むしろ妖怪っぽいじゃない?
飲みまくりビシャビシャ妖怪って名前どうかしら?
ちょっと長いかしら。
飲みビシャだと…言いづらいわね…。
…
そもそもわたしは、妖怪の名前で自己紹介する機会もないわね。
たぶん…だけど。
だから、そんなに名前に必死にならなくていいわね。
電車に乗る前にお手洗いに行って、スッキリしてから電車に乗り込んだのよ。
そして、大人しく電車に揺られていたのよね。
あぁ、いいガタゴト感ってなりながらさ。
のんびりガタゴトしていたら圭太がいきなり、
「菜美華って元気だよなー」
ってほざいたわけよ。
⁉︎
なんですって⁉︎
わたしは、静かにガタゴトしていただけよ?って思ったのよ。
「わたし…貧乏ゆすりとかしてた…?」
って恐る恐る圭太に問いかけたわよ。
すると圭太は、
「あー、今じゃなくて朝から元気だなぁって意味」
なんてほざくのよ?
どの辺が元気よ?
…ま、まさか…
元気なのって…わたしの膀胱なんじゃないかしら?ってなって恥ずかしくなったわよ。
だから、落ち着いて!わたし‼︎って思えば思うほど、また膀胱が暴れ出すのでありました。
あーおトイレいきたーい‼︎
…
続く。
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