第12話 激突!ササッカー


そして、

朝食のブッフェを早く済ませた俺たち。

クラスII奥の部屋の面々は。


アトラス先生のサッカー講義を受けることになった!!

但し!この島のオリジナル、

ササッカー、である。


ルールは簡単。

一、相手チームのゴールにボールを入れる!

一、手を使わない!

それだけ!!


はあ?!

ただし、五分だというのだ。短っ!!!

しかも、

相手はアトラス先生一人だって言うんだ。

どういうことだろう?


まあいいや、

やってみよう。


ポーラの笛がなった。ピィーー!!

試合開始だ!!


すると、

ビュウウウウーッ!!!

ものすごい低空飛行で、

アトラスが突っ込んできた!!

しかも、竜化してる!!??

へえっ?!


そのまま鼻先で、ものすごいスピードで、

ボールごとゴールへ刺さったのである!!


ははっ!!まず一点!!

素早く人に戻っては、笑うアトラス。

き、き、汚えーーー!!聞いてないんだがっ!!


しかしそこに、

竜化して、緑の竜(金)妖精のサヤナが、突っ込んできた!!

素早くボールを奪うと、くるりと翻し、

ひらりひらりとアトラスをおちょくるようにかわして、俺にボールをくれた。


っし!!

俺も赤い竜(金)煉獄のレンになって、

ボールを後ろ足で掴んで、


キメてやるぜ!!


うらっ!!

火花をちらして、相手ゴールへボールをぶち込んだ!!っしゃ!!一点!!

サヤナとハイタッチした。


そんな調子で。 人になったり竜になったり、


アトラスは汚いんだよ。大人だから。

フクロウの魔法封緘まで飛ばすんだぜ。

呪い紙で、あなぼこもあける!


俺たちも、ムキになって、

呪い紙を持ってきちゃったよ。


青い竜(銀)かもめのナギサが、

南十字星の店舗のカウンターにご自由にどうぞ、って、おいてあるのに気づいたんだ。


それを大窓から、赤い竜(銀)はらぺこのチワが受け取って。穴ぼこだらけにした。


しかも、アトラスは一人だろ?

だから、参加者でもなんでもない、 

アプローチを歩いて、ただ本を読んでる、

居合わせただけの、

白竜がノールックでヘディングして一点とるとか、

わかんないじゃん?!

あれは、度肝を抜かれたよ。

五分は、本当にあっという間だった。


超へんてこりんで、

超楽しかった。


アトラス先生と、クラスⅡとで、

肩を組んで、早朝からゲラゲラ天を仰いだ。

抜けるような、快晴だった。


もちろん、

クラスIIの圧勝!!

ゴールを守り、敵陣に責める。

大人とはいえ、

一人は無理があるのだ。


昨日、中2ボディにしておいて良かった。

仲間と顔を見合わせて笑った。


アトラス先生は、

今日は足が痛かったとか、

ホントは紫音先生と二人組でやるつもりだったとか、

ずーっと、白々しい言い訳をしていた…。


そうそう。

工房の天窓から、

紫音先生が、

たぶん片思いのシスターと、

居るのが見えた。

仲直りしてたっぽかった。

だから、

黙っておいた。


今日のアトラス先生は、

頭から血を細くピューピューすることは、

なさそうだな、

と思った。


(続)






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る