第12話 激突!ササッカー
◇
そして、
朝食のブッフェを早く済ませた俺たち。
クラスII奥の部屋の面々は。
アトラス先生のサッカー講義を受けることになった!!
但し!この島のオリジナル、
ササッカー、である。
ルールは簡単。
一、相手チームのゴールにボールを入れる!
一、手を使わない!
それだけ!!
はあ?!
ただし、五分だというのだ。短っ!!!
しかも、
相手はアトラス先生一人だって言うんだ。
どういうことだろう?
まあいいや、
やってみよう。
ポーラの笛がなった。ピィーー!!
試合開始だ!!
すると、
ビュウウウウーッ!!!
ものすごい低空飛行で、
アトラスが突っ込んできた!!
しかも、竜化してる!!??
へえっ?!
そのまま鼻先で、ものすごいスピードで、
ボールごとゴールへ刺さったのである!!
ははっ!!まず一点!!
素早く人に戻っては、笑うアトラス。
き、き、汚えーーー!!聞いてないんだがっ!!
しかしそこに、
竜化して、緑の竜(金)妖精のサヤナが、突っ込んできた!!
素早くボールを奪うと、くるりと翻し、
ひらりひらりとアトラスをおちょくるようにかわして、俺にボールをくれた。
っし!!
俺も赤い竜(金)煉獄のレンになって、
ボールを後ろ足で掴んで、
キメてやるぜ!!
うらっ!!
火花をちらして、相手ゴールへボールをぶち込んだ!!っしゃ!!一点!!
サヤナとハイタッチした。
そんな調子で。 人になったり竜になったり、
アトラスは汚いんだよ。大人だから。
フクロウの魔法封緘まで飛ばすんだぜ。
呪い紙で、あなぼこもあける!
俺たちも、ムキになって、
呪い紙を持ってきちゃったよ。
青い竜(銀)かもめのナギサが、
南十字星の店舗のカウンターにご自由にどうぞ、って、おいてあるのに気づいたんだ。
それを大窓から、赤い竜(銀)はらぺこのチワが受け取って。穴ぼこだらけにした。
しかも、アトラスは一人だろ?
だから、参加者でもなんでもない、
アプローチを歩いて、ただ本を読んでる、
居合わせただけの、
白竜がノールックでヘディングして一点とるとか、
わかんないじゃん?!
あれは、度肝を抜かれたよ。
五分は、本当にあっという間だった。
超へんてこりんで、
超楽しかった。
アトラス先生と、クラスⅡとで、
肩を組んで、早朝からゲラゲラ天を仰いだ。
抜けるような、快晴だった。
もちろん、
クラスIIの圧勝!!
ゴールを守り、敵陣に責める。
大人とはいえ、
一人は無理があるのだ。
昨日、中2ボディにしておいて良かった。
仲間と顔を見合わせて笑った。
アトラス先生は、
今日は足が痛かったとか、
ホントは紫音先生と二人組でやるつもりだったとか、
ずーっと、白々しい言い訳をしていた…。
そうそう。
工房の天窓から、
紫音先生が、
たぶん片思いのシスターと、
居るのが見えた。
仲直りしてたっぽかった。
だから、
黙っておいた。
今日のアトラス先生は、
頭から血を細くピューピューすることは、
なさそうだな、
と思った。
(続)
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