儚き決意の果てに

寝ても疲れが取れない人

決意

「よう、久しぶり」

俺、對崎綾人ふうざきあやひとはしゃがみ込み、そう言った


目の前には、何の変哲もない石があった


ここには、俺の親友の魂が眠っている


名前は風月紀行ふうげつきこう

紀行は、殺された


国の上層部のやつらにに



なぜ、殺されることになったのか

それは紀行がある研究をしていたからだ


その研究とは、別世界の調査である

そもそもこの世界には超能力という存在がある

一人につき一つ、能力が発現する

しかしその発現するメカニズムはわかっていない


そこで紀行は世界とは自分がいる場所だけではなく、別の世界があり、その世界から何らかの影響を受けているのではないかと予想を立てて別世界の観測、転移の研究をしていた


それが禁忌とみなされて紀行は処刑された




「チクショウ....!」

あまりにも理不尽だ

能力発生のメカニズムの研究は最優先事項でありその研究に関しては一切の介入をしないというのが上層部の決めたルールだった

なのにそれを破ってまで紀行を処刑した


それは、つまり


上層部にとってなにか都合の悪いことがある


それを、紀行の代わりに暴く


俺の、目的ができた


生きるための目的が


その秘密を暴き、上層部のやつらに罪を償わせる


俺は目を閉じ、決意を固め、立ち上がった


「紀行、絶対にお前の代わりに暴いて見せるから、見ててくれ」

そう言い残し、俺はその場を後にするのだった

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儚き決意の果てに 寝ても疲れが取れない人 @ruisyousetu

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