第9話 付き合う

 朝、目が覚めたら見慣れない部屋にいた。


 どこだ? ここ? 

 俺の部屋じゃないよな? 

 なんか凄くいい匂いがする。

 もしかして女の子の部屋か?

 にしては結構散らかってるな。

 この部屋の主は掃除できないタイプなのかな?


 チラッと横を窺うと裸の霧島優菜がいた。

 彼女を見て全て思い出した。

 

 昨日俺たちは深夜の3時まで肌を重ね合い、疲れたから彼女の部屋で寝たんだ。

 なるほど、じゃあここは優菜の部屋か。


 にしても昨日はヤりすぎたな。ちょっとだけ腰が痛い。まだ眠いし……。

 

 再度裸の優菜に目を向ける。

 大きな胸とちょっとだけ肉のついたお腹。

 お尻も大きくて、太ももはムチムチしていた。

 なんて下品な体なんだ。エロすぎるだろ。我慢できなくなった俺は優菜の胸に手を伸ばす。

 彼女の胸に触れて、好きなだけ揉みしだく。

 あぁ~、最高だ。永遠に揉んでられる。


「ねぇ」

「ん? なんですか?」

「なんでアタシのおっぱい揉んでるの?」

「別にいいだろそれぐらい。つか、お前起きてたのか?」

「うん、今起きた……おはよう」

「ああ、おはよう」


 俺達は自然と顔を近づけて唇を合わせる。すぐに唇を離して相手を見つめる。


「今の俺たち恋人みたいだな」


 思ったこと口にすると優菜の顔が真っ赤になる。


「も、もう何言ってんの……アンタと恋人なんか死んでも嫌だわ」

「嘘つけ。本当は俺のこと好きなくせに」

「す、好きじゃないもん……」

「いやいや絶対俺のこと好きだろ。昨日もたくさん俺に甘えてきたじゃん」

「は? 甘えてないし」

「甘えてただろ。ずっと俺に「ねぇチューして」ってお願いしてきたじゃん」

「あ、あれはその……アンタとキスするの気持ちいいから」

「へぇ~、俺とキスすんの気持ちいいんだ。じゃあもう一回キスする?」

「う、うん、する……」


 再度俺達はキスする。恋人のように何度も唇を求める。

 キスしながら優菜の胸を触る。胸を触っても優菜は拒絶しない。拒絶どころか嬉しそうだった。

 

 しばらくして俺達は唇を離す。優菜と目が合った。彼女の瞳はピンク色に染まっていた。メスの顔だった。


「ねぇもう我慢できないよっ……エッチぃことしよっ」

「そんなに俺としたいの?」

「うんっ、したいっ……昨日みたいに激しいヤツしてよっ」

「でもお前彼氏いるじゃん。浮気になっちゃうよ?」

「そ、そうだけど……」

「俺とシてるところ彼氏にバレたら怒られるよ? それでもいいの?」

「それは嫌だけど……」

「じゃあやめる?」

「やだっ……エッチしたいっ」

「ははっ、優菜は本当にスケベだな。いいぜ、可愛がってやるよ」

「うんっ……」


 優菜を押し倒し、俺たちは一つになる。

 もちろん生だ。

 生なのに優菜は嫌がらなかった。気のせいかもしれないけど、生のほうが嬉しそうに見えた。


 激しく優菜の体を求め、フィニッシュは中に吐き出した。

 行為が終わり、優菜が俺を抱きしめてきた。俺も優菜を抱き返す。お互い裸なので肌が直接触れて気持ちいい。


「なぁ優菜」

「なに?」

「お前、彼氏と別れないのか?」

「え? なんでそんなこと聞くのよ?」

「だってお前、彼氏と上手くいってないんだろ?」

「まぁそうだけど……」


 コイツ、彼氏と上手くいってないんだって。

 

「和樹のこと今も好きだけど……エッチだけ満足できないんだよね……。アイツ、体力ないから一回しか求めてくれないのっ。アタシはもっとしたいのにっ」

「一回じゃ満足できないの?」

「できるわけないでしょ……もっとしたいわ」

「ははっ、優菜は本当にエロいな」

「アタシがエロくなったのはアンタのせいでしょ!?」

「なんで俺のせいだよ」

「だ、だって……アンタがアタシのこと何回も求めてくるから。あんなことされたらアタシもエッチなこと大好きになっちゃうよ……」

「最初は俺とエッチすんの嫌がってたけど、今は積極的だもんな」

「別にいいでしょ……」

「うん、いいよ。俺も優菜とエッチすんの好きだし」


 俺はそう言って霧島の唇を奪う。霧島は俺の唇を受け入れた。

 今の霧島は俺とのキスを嫌がらない。逆に楽しんでいる。

 

 唇を離し、俺達は見つめ合う。


「なぁ俺と彼氏、どっちの方が気持ちいい?」

「なんでそんなこと聞くの……? わかってるくせに」

「いいから答えろよ。どっちのほうが好き?」


 霧島は「はぁ……」とため息をついてから答えた。


「晴人のほうが気持ちいいわよ……彼氏より上手いし、アレのサイズ大きいし」

「へぇ、彼氏より俺の方がいいんだ」

「う、うん……」

「なら俺の女になれよ、優菜」


 俺がそう言うと、霧島は「え……?」と間抜けな声を漏らす。


「あ、アンタ何言ってんの?」

「彼氏じゃ満足できないんだろ? なら俺の女になれよ」

「アンタ、それ本気で言ってるの?」

「ああ、本気だよ」

「けどアタシ、アンタのこと虐めてたんだよ? そんな女と付き合いたいの?」

「昔のお前は大嫌いだよ。けど今の素直な優菜は……そのなんだ、結構気に入ってんだよ。だから俺の女になれ」

「……」


 霧島は困惑していた。

 そりゃそうだよな。俺も自分の行動に少しだけびっくりしてる。

 俺、なんで霧島みたいないじめっ子に告白してるんだろう。

 そうだよ、コイツは数え切れないほど俺を虐めてきた。

 悪口を吐き、酷いときは暴力を受けた。

 そんなカス野郎になんで告白してるんだ……?


 いや、けど今の優菜は結構気に入ってんだよ。

 エッチ中は俺に甘えてくるし、俺の無茶振りなお願いも素直に聞いてくれるし。

 顔もいいし、体もエロいし。


 こんな都合のいい女なかなかいないぞ。

 だから俺のものにしてやる。


「本当にアタシなんかでいいの?」

「ああ、俺の女になれ。お前も今の彼氏より俺の方が好きだろ?」

「っ……そんなことないもん。彼氏のほうが好きだし」

「おい、正直になれよ。俺の方が好きだろ、なぁ?」

「……ま、まぁ確かに今はアンタのほうが好きだけど」

「だろ? なら俺のものになれって」


 俺はそう言って霧島を抱きしめる。彼女も俺を抱き返した。


「分かったわ……アンタのものなってあげる」

「いいんだな?」

「えぇ……別にいいわよ。アンタと一緒のほうが楽しそうだし」

「ははっ、そうかそうか。なら彼氏と別れろよ?」

「はいはい、別れますよ。ねぇそんなことより早く続きしようよ」

「なんだよ、またエッチしたいのか?」

「うんっ……もっとアタシのこと求めて」

「ああ、いいぜ。何回も求めてやるよ。その代わり生でヤらせろよ」

「アタシがダメって言っても生でするくせに」

「まぁな。優菜も生のほうが好きだろ?」

「うん……好き。けど赤ちゃんできたら責任取ってよ?」

「ああ、分かってるよ」


 佐藤和樹、悪いな。お前の女はもう俺のものだ。俺の方が男として優れてたってことだ。

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