第3話 復讐①

 次の日、俺は自転車で学校に向かう。

 約10分後、学校に到着した。俺は駐輪所に自転車を置き、教室に移動する。

 

(あっ、いた……)


 教室の中に霧島優菜がいた。

 背中まで伸びた金色の髪、大きな目。筋の通った鼻。薄い唇。

 相変わらず霧島優菜は美人だな。このクラスの中じゃダントツで可愛い。

 性格はカスだけど。

 

 性格も完璧だったら俺も霧島のこと好きになっていただろうな。


 霧島は自分の席で退屈そうにスマホをいじっていた。

 そんな彼女に俺は話しかける。


「おい、霧島」


 霧島に話しかけると、ヤツは鋭い目で俺を睨んできた。

 こ、こわい……。

 そんな目で俺のこと睨むなよ。俺、泣いちゃうぞ。


「なに?」

「……放課後、屋上に来てくれないか?」

「は? なんで?」

「それはまだ言えない。とにかく放課後屋上に来てくれ。わかったな?」

「何勝手に話進めてるの? そんなの行くわけないでしょ」

「頼むから来てくれ。なぁいいだろ?」

「……」


 俺が頼み込むと、霧島は黙り込む。悩んでいる様子だった。

 しばらく時間が経ち、霧島は「はぁ……」とため息をつく。


「わかったわ……放課後屋上に行けばいいんでしょ?」

「ああ、頼む」

「……」


 放課後、屋上で霧島と話し合うことになった。

 よし、なんとか話し合いに持ち込めたぞ。




 ◇◇◇



 授業が終わり、やっと休み時間だ。

 休み時間は霧島とそのグループに体育倉庫に呼び出され、何発も顔面を殴られた。

 今日も俺は抵抗しなかった。甘んじてこの最悪な状況を受け入れたよ。

 相手は大人数。俺一人じゃ何もできねぇし。

 

「がはっ……」


 何発も霧島とそのグループに殴られたり、蹴られたりする。

 殴られる度に怒りの感情が沸き立つ。

 放課後だっ。放課後、リーダーの霧島を地獄に送ってやる。

 それまでは我慢してやるよ。

 


 全ての授業が終わり、やっと放課後だ。

 帰宅部は素早く家に帰り、部活に所属している生徒たちは体育館やグランドに向かう。

 さてっと、俺も行くか。


 俺は家に帰らず、屋上に続く階段を登る。

 最上階に到着した俺はドアを開けて、屋上にやってきた。

 屋上には先客がいた。

 霧島優菜だ。


 やっとだ。やっと霧島に復讐できる。

 ははっ、楽しみだぜぇぇ。


 一年前から俺はコイツにいじめられていた。

 コイツのせいで俺の学校生活はむちゃくちゃになった。

 先生に相談しても味方してくれないし、親とは仲が悪いから相談できなかった。

 霧島っ、お前のせいで俺の学生生活は本当に地獄だった。

 だからお前の人生も無茶苦茶にしてやるよ。


 霧島は俺を見て口を開いた。


「遅いっ、何してたの?」

「すまん……掃除当番だったから」

「そんなのサボればいいじゃない」

「いや、サボったら先生に怒られるし……」


 相変わらず、俺に対する霧島の態度は冷たい。

 他の生徒には普通なのに、どうして俺にだけこんなに冷たいんだ……?

 意味わかんねぇ。

 

「で、どうしてアタシを呼び出したの?」

「それは……」

「ちっ、いいから早く答えて。アタシ、今日彼氏とデートなんだけど? 早くしてくれない?」

「……」


 ちっ、何だよコイツ。相変わらず態度悪いな。

 コイツが女じゃなかったら絶対殴ってたわ。

 女でよかったな、霧島。もしお前が男だったら今頃顔面が崩壊してたぞ?


 さてと、そろそろ本題に入るか。

 俺はゆっくりと口を開いた。


「お前さ、昨日彼氏と公園でセックスしてただろ?」


 俺がそう言うと霧島は「は?」と声を漏らす。

 

「アンタ、何言ってんの?」

「とぼけんなよ。昨日、お前が彼氏と公園でセックスしてたの見たんだよ。ほら、これが証拠」


 俺はポケットからスマホを取り出して、とある動画を再生した。 

 再生した動画を霧島に見せる。


「えっ……?」


 動画を見て、霧島は絶句する。

 そりゃそういう反応になるよな。

 だって、スマホの画面には彼氏とエッチしてる自分が映ってるのだから。


「この動画先生に見せたらどうなるだろうな。停学? いや下手したら退学だぜ?」

「っ……」


 俺の言葉に動揺する霧島。

 あの霧島が焦ってる。

 なんだこれ、最高だな。 

 今まで俺のこと虐めていた女が追い詰められてるぞ。

 いい、凄く気持ちがいい。実にいい気分だ。

 よし、この調子でもっとコイツを追い詰めてやるぞ。


「この動画先生に見せていい?」

「やめてっ……今すぐその動画消してっ」

「は? 消すわけねぇだろ。馬鹿かお前」

「いいから消しなさいっ。消さないと警察に通報するわよ?」

「やってみろよ。警察に通報する素振り見せたらこの動画ネットの海に放り投げるからな?」

「っ……」


 霧島が警察に通報する素振りを見せたら、この動画はネットに拡散する。

 これは脅しじゃない。俺はマジだぞ、霧島。


「このエロ動画ネットに拡散したら有名人になれるぞ。良かったな、霧島」

「……」

「再生回数凄いことになるだろうな~。たぶん100万再生はされるんじゃないかな? お前のエロい体が不特定多数の人たちに見られちゃうぞ? それでもいいのか?」

「や、やめて……」

「は?」

「お、お願いっ……お願いだからネットに拡散しないでっ」

「なら舐めろよ」

「え……?」


 俺の最低な発言に混乱する霧島。

 どうやら理解できなかったようだ。

 再度俺は同じ言葉を口にした。


「だから俺の舐めろよ」

「じょ、冗談でしょ?」

「は? 冗談なわけねぇだろ。この動画ネットに拡散されたくなかったら舐めろ。ほら早くしろ」

「そ、そんなのできるわけないでしょっ!!」

「ふーん、ならこの動画ネットにアップするからな?」

「っ……アンタ本当に最低っ」


 鋭い目つきで俺を睨む霧島。

 いいね、その顔。どんどん追い詰めてやるよ、霧島。


 俺はズボンとパンツを同時に脱ぎ捨てる。

 下半身が外気に晒された。


 下半身だけ裸になった俺を見て、霧島は怯えていた。


「ネットに晒されるのは嫌だろ?」

「う、うん……」

「なら俺の舐めろ、ほら早く」

「……」


 霧島は黙り込む。悩んでいるんだろう。

 

「おいっ、早くしろよ。ネットにアップロードするぞ? それでもいいのか?」

「ちっ……わ、分かったわよ。舐めればいいんでしょ、舐めれば」

「ああ、早くしろ」

「……」


 霧島は床に膝をつく。

 そして、ご奉仕を始めた。

 

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