第73話 知らない人
あれから2ヶ月経ったが、貴族のおっさんは帰って来なかった。
今、頑張って猫缶を再現しようとしているのだろうか?
しかも10個で100円の激安猫缶を……。なおかつ賞味期限切れ。
虚しい戦いだったなぁ。
そうそう、家の結界だけど。
入れない者が接触すると、自動的に航空写真が出る設定に気づいた。
きっかけは、鳥。
まぁまぁの頻度でぶつかってくる。
そのまま死んで、結界に沿ってズルズルと落ちてくるんだよね。
結構良い速度で飛んできてぶつかるからなぁ。
結界にぶつかる訳だから、俺達もしくは家に被害を与える存在なんだとは思う。
容姿はツバメをワシくらいにデカくした感じ。
死体はシロがギルドに持っていき、売りさばいてくる。
意外に良い値段で売れるらしい。臨時収入だね。
ちなみに害を与えない鳥は素通りしていく。
最近は賢い鳥が居て、強い鳥に追われていると結界の中に避難してくる。
強い鳥は結界にぶつかって死ぬんだけど、ここで疑問。
強い鳥は弱い鳥を捕まえようと飛んでいるはず。
俺の家や俺達に害を与えようと飛んでくる訳じゃない。
なのに拒まれる。
そして弱い鳥。
結界の能力を利用しようとしているし、実際利用している。
これは害では無いが、利用するってのは問題にはならないのか。
……俺が作った結界じゃないしなぁ。
なんらかの決まりがあるんだろう。
って事で、結界を調べてみたんだ。
そしたら、通れる基準はイジれなかった。固定らしい。
その代り、最初に言った通り、接触すると自動的に航空写真が出る設定がある事に気づいた。
さて、何で結界の話をしたかと言うと……ちょくちょく反応するんだよ。結界が。
主に家の裏口付近が多いけど、たまに上空の場合もある。
なにかの動物かと思ってたんだけど、死体が発見出来ない。
死体じゃなくても足跡くらい残ると思うんだけど、それも無い。
なので、反応した時に点も表示される設定にしてみた。
すると、反応が出た時に、一瞬だけ点が表示される事に気づいた。
だけど速すぎて色も判らない。
悩んだ結果、シロとクロに巡回してもらう事にした。
彼らならその速さにも対応出来るだろう。
と言うか、シロクロ以外には無理だろ。
「主。正体が判りました」
「おっ、早いな。今日はまだ反応が無かったのに」
「簡単でしたよ」
「何で?」
「森の木の陰からこちらを観察している者が居たので」
「隣の魔法使いじゃなくて?」
「ええ。違います。あれは女の人ですね」
「シャティさんでも無いんだな?」
「ええ。気配が違います」
「ふ~ん」
「それが複数居ます。全部で4人ですね」
「4人も?! 何してるんだ? 魔法使いみたいに結界を調べてるのか?」
「結界も調べてると思います」
「結界“も”? って事は他の事も調べてると?」
「ええ。多分ですが、主の姿を確認したいみたいです」
俺の姿を?
何の意味があるのだろうか?
「そういえば、最近外に出てないな」
「ベランダから姿を見せては?」
「見せてどうするんだ?」
「見せれば居なくなると思ったので」
「…………なんでそこまで断言できる?」
「会話を盗み聞きしたので」
「つまり、忍んでる人達よりも、お前の方が優秀だと」
「猫の能力を甘くみてはいけません」
いや、猫の能力と言うより、チート能力だろ。
そりゃ猫の能力もあるだろうけど、ブーストかかってると思うし。
という事で、ベランダに出てみた。
言われてから出ているので、視線を感じるような気がする。
まぁ俺にはチートが無いので、気のせいだろうけど。
「主。OKです。居なくなりました」
「マジで? よく判るな」
「クロが見張ってましたので」
クロも隠密かよ。
犬にそんな能力あったっけ?
やっぱチートなんじゃない?
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