第47話 シロの回。冒険?3
『シロの回。冒険?3』
「あれが王都ですか」
「……」
返事が無いですね。
そう言えば、ずっと叫んでましたけど「ここからはまっすぐです」と言ったのを最後に声を聞いていません。
見てみると、白目で気絶しているようです。
静かで良いのでこのまま行きましょうか。
声を聞いて出てきた獣も居ましたからね。勿論速攻で倒しましたが。
ほほう、いつもの街よりも街を囲っている壁が大きいですね。
ちょっと切ってみましょう。
むむ、一撃で切れないとは!
……あぁ、厚みがあるだけでしたか。
爪で掘ったら簡単に貫通しました。
門から入っても良いですが、シャティさんがギルドマスターを不気味と言ってました。
なら面倒が起きるのは明白ですね。こちらの穴から入りましょう。
「痛てっ! ううん……ここは?」
おっとギルドマスターの頭分のサイズを考えていませんでした。
もう少し大きくしましょうか。
「ここは王都ですよ。今入る所です」
「えっ? もう?! ……入る所って言うけど、暗いよね? 夜?」
「いえ、日中ですよ。街を出てから2時間経過しました。
暗いのは穴の中だからです」
「速いな! って、穴の中?」
「正確には囲っている壁の中です」
「へっ?! 何で?!」
「正面から入るにはギルドマスターが不気味だからです」
「出してくれれば良いじゃないか!
それに壁に穴を開けて入るなんて、不法侵入だよ?! 犯罪だって!
あっ、ウソウソ! だからアイテムボックスの中に入れようとしないで!!」
煩かったので、静かにしてもらいました。
穴の中だから反響するんですよ。
穴を抜けた所で、ギルドマスターを出してあげました。
「地面って素晴らしい!」とか言ってなくて良いので、早く行きましょう。
「この後はどうすれば?」
「まずは冒険者ギルドに行ってここのマスターと話す。
それから冒険者ギルドの統括と会う約束をして、後日会って話す。
統括がお城に話を持っていくから、呼ばれたら登城する。こんな感じかな?」
「長いし面倒ですね。直接城に行って渡してしまいましょう」
「ぅえっ?! 無理無理! 絶対に受け取ってもらえないよ!
それ以前に逮捕されるから!!」
「大丈夫です」
「えっ? 何か秘策が?」
「捕まりませんから。素早さには自信があります」
「そういう事じゃないんだってばー!!」
さっと行ってぱっと渡して帰るだけでしょう?
「マスターはここで待っていて下さい。すぐに戻ってきますから」
「え~と……い、いいや。
帰りは自分で何とかするよ。ここのギルドマスターにも挨拶したいし」
「そうですか。判りました。では先に帰ります。お疲れ様でした」
「う、うん。が、頑張ってね……。
あっ! 待って! 城に行っても俺の事は絶対に言わないでね! お願いします!!」
「判りました」
屋根の上を走れば、すぐに城の前。
さて、どうしましょうか。
正面から行けばギルドマスターの言うように兵士が捕まえに出てくるでしょう。
ではしょうがないですね。壁を登って、どこかから中に入りましょうか。
垂直の高い城壁も、今の身体能力なら簡単に登れますから。
中に入りました。
確実に渡すには、やはり本人に渡すのが最善ですね。
では王を探しますか。
各部屋を見て回る事、37回目。
やっと発見しました。
広い部屋の2段高い所に座っています。
他に数人の人が居ますね。あぁ、6人くらい隠れているのも居ます。
今行けば、確実に捕まえに来るでしょうね。少し待ちますか。
……面倒ですね。主も「苦難は乗り越える為にある!」とゲームをしながら言ってました。
行ってしまいましょう。早く帰りたいですし。
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