第14話 シロの回。途中4&青い点
『シロの回。途中4』
家までの道のりは安全そのものでした。
出てくるのはネズミっぽい生物と犬のような生物とブヨブヨの生物だけ。
街へ行く時と同じですね。全て瞬殺です。
主が昔ゲームをしている時に叫んでいた「サーチアンドデストロイ」というやつですね。
楽しいですが、シャティさんが一緒なので自重します。
「は~、シロさんはやっぱり強いですね~」
「ありがとうございます。でも弱い生物を倒したのを褒められても……」
「いや、弱い相手では無いですよ!
あれはポイズンラット。牙で傷を負うと毒状態になります。
あれはウルフドッグ。素早いですし、仲間を呼ぶので危険です。
さっき倒したのはスライム。打撃は効きにくいですし、取り憑かれると窒息の危険があります。
どれもランクCのモンスターです」
「そのランクというのは、私のとは違うのですか?」
「大体同じだと思って下さい。
ランクCは、実力がC以上の人なら倒せるという意味になります」
「そうですか」
私はBに認定されているので、問題無いですね。
Aの敵に会ってみたいです。
「ところで、シャティさんは冒険者だったようですが、ランクはどうだったんですか?」
「私はBAだったの」
「実力は私と同じですね。実績が高いという事は、かなりのものですね。素晴らしいです」
「いえいえ!! 私は長い時間かけてBAになりました。
だからこそ、すぐ実力Bになる人を尊敬します! シロ様もです!」
「そうですか。しかし、その「様」は止めて下さい」
「でも……」
「お願いします」
「では、シロさん、で」
「ありがとうございます。ああ、見えてきましたよ。あれが主の家です」
「…………え~と、何で囲まれて攻撃されてるのかな?」
「主の言うには、あの人達は盗賊の類らしいですよ」
「えっ?! だだだ、大丈夫なの?!」
「何も問題はありません。では入りますか」
「ちょっと待って! 盗賊を止めないの?!」
「止めた方が良いですか?」
「勿論ですよ!」
「では私が……」
「待って待って! 出来れば殺さないで!」
「判りました」
『主人公』
目の端に出ている航空写真に、シロを示す白い点が出た。
それと共に青い点が1つ出ている。誰か連れてきたのかな?
って事は、青い点は友好的な者かもしれない。黄色い点は敵って事か?
おや? シロが青い点から離れて行くぞ?
あっ、黄色い点と接触した。接触された黄色い点は動かなくなったわ。
あ~、殲滅し始めたのか。青い点が家に来るのに邪魔だからな。
5分も立たずに全ての黄色い点とシロは接触した。
これ、相手が死んでたら黄色い点はどう変化するんだろ?
色が変わるとか、点が消えるとかなるのかな?
シロが帰ってきたら、殺したか聞いてみよう。
そう思いながら航空写真を見てたら、青い点が家から離れていった。
シロは?ああ、帰ってきてるな。
「ただいま帰りました!」
「お疲れ~。誰か連れてきてたみたいだけど?」
「シャティさんです。外の盗賊を捕縛して連れて帰る為に、人を呼びに行かれました」
「ふ~ん。ところで、その盗賊だけど。殺した?」
「シャティさんが殺すなと言われたので、気絶させただけですね」
気絶では点に変化は無し、と。心にメモしておこう。
「そのシャティさんは、何しにココへ?」
「主に用があるらしいです」
「俺に?」
「どうやら主も冒険者にしたいらしいですよ。私を従魔扱いにしたいとか」
あ~、なんとなく理解出来た。
猫が冒険者ってのは、やっぱり認めにくいんだな?
で、俺を冒険者にして、シロは俺の従魔って事にする。
そうすればシロを登録する必要は無いし、シロが働いていても俺がやらせているって事になる。
まぁ、異世界に来た事だし。俺も冒険者には興味がある。
登録出来るならしても良いかな。家で出来るならね!
シャティさんとやらが戻ってくるまで時間がかかりそうなので、晩飯の準備をしよう。
シロには、今日も頑張ったって事で高級な猫缶だ。
おや、青い点が増えたな。全部で5つか。捕縛の為に4人も連れてきたのかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます