第38話
望奈は莉子を誰もいない裏門近くの校舎の裏に連れて行った。
「落ち着いた……?」
望奈は莉子に包み込むような眼差しを向けている。
莉子は重い口をやっと開いた。
「悠真と別れたの…… 」
莉子は口に出すのも辛そうに、そっと目を伏せた。
「辛かったね…… 」
「悠真に好きな人が出来たの」
莉子はそう言いながら、望奈の左手首に掛かっている銀色のブレスレットを見た。
「そのブレス…… ずっとしてるね」
「彼から貰ったものだから」
望奈はそっとブレスレットに手を触れた。
「お願い!悠真の気持ちに答えて!悠真は望奈が好きなの……!」
莉子は涙をボロボロ零しながら望奈に迫った。
望奈は驚きで言葉も出ない。
一言もなく、呆然と莉子を見ている。
「悠真が好きなのは…… 望奈なの」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます