第32話

悠真はティナを見ていた。

表紙を飾る望奈は、輝くような笑顔を見せている。

今更遅いよな……

莉子は雑誌コーナーから微塵も動かない悠真の元へ歩いて来た。

「お待たせ」

莉子は本の入った紙袋を持っている。

「ああ、じゃあ行こうか」

何を見てたんだろう?

ふと見て莉子は目を見開いた。

其処には望奈の笑顔があったのである。

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