第18話

望奈は早朝5時に河原の土手に来ていた。其処には発声練習をしている暖の姿があった。

「あめんぼあかいなあいうえおー」

暖の姿が朝日に照らされている。

望奈は隣まで歩いて行くと、発声練習を始め

た。

「おはよう」

発声練習が終わると、暖が笑顔を見せた。

朝の陽射しに包まれてその顔はとても優しい。

望奈はトクンと胸が鳴った。

次はストレッチだった。

腹筋を鍛えるためのトレーニングだ。

それが終わると並んでランニングを行なった。


「ま、待ってよー!」

望奈はある程度までは付いて行っていたが、途中で息を切らして立ち止まってしまった。

「ヘタレだなー。望奈は」

暖は笑っている。

「そんな事…… 言ったって」

「望奈、自分のペースで後からおいで。急には無理だから」

暖はそういうと走って行った。

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