第5話

立原朱音から、望奈に電話があった。

朱音は洲央高校にいた時からの友人である。

『望奈、サッカー好きだったよね。ほら朝練見てたりしてたじゃない?』

「うん、好きよ。それがどうしたの?」

『今度、南条学園と試合あるの。高原君もミッドフィルダーで出るよ』

悠真の名前を聞いて、望奈の瞳に涙が滲んで来る。

『応援に行ったら?望奈』

「朱音、教えてくれて有難う。それで莉子と高原君は上手く行ってるの?」

『莉子は告白したけど、高原君、断ったみたいよ』

「そう…… 」

『もう忘れた方がいいよ。高原君もちゃんと元気にサッカーしてるし、もう気にする事ない。最後にちゃんと試合見てキリ付けたら?』

「有難う…… 朱音」

望奈はケータイを切ると、そのまま泣き続け

た。

そうだ。高原君のサッカー姿を見て、ちゃんと終わりにしよう……

望奈はケータイを手に取った。

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