第3話

3人は顔を見合わせている。

「お前ってもしかして鈍い?」

明彦が驚いたように望奈を見た。

「忍、望奈が来た時からスキスキオーラ出しまくってるけどなー」

「えっ?」

望奈は思わず忍を見た。

確かに忍とは望奈主演のドラマで共演した事があった。

休憩時間には話をした事もあったけど……

「分かってるよ。望奈には、同級生の恋人がいたんだよな。大事そうに可愛いペンダントしてた」

望奈は驚いたように忍を見ている。

「彼がお前のファンに襲撃されて、そいつを守るために関係ないって、記者会見開いたんだよな」

望奈は俯いて涙を浮かべている。

「森越の奴ら、みんなお前の気持ち分かってるよ。身勝手な奴らに踏み躙られたお前の気持ちをさ」

望奈はとうとう泣き出した。

奈緒が望奈を優しく抱きしめた。

「吹石暖はお前の事が好きだよ。お前の気持ちを分かっている。だから友達として側にいるんだ」

忍は望奈を気遣うように見ている。

「暖が私を好き……?」

望奈は呟くように言った。

「多分ね…… 」

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