第2話

早速、望奈の歓迎会を開いてくれる事になり、

一同は奈緒のマンションに行く事になった。

日向忍、葛西明彦、小沢奈緒と望奈の4人は早速デパ地下の惣菜コーナーに行った。

「とにかく盛り上がりたいから、今回はオードブルとサラダとピザにしとく?望奈、何か食べたいものある?」

「アイスクリームとか」

「じゃあ、レミレミのアイス買おう」


20畳ほどの広いリビングの、赤いソファーの上に望奈と奈緒。白いラグの上に忍と明彦が座っていた。

「ねえねえ、望奈って吹石暖と仲いいって

本当?」

奈緒が興味深々といった様子で訊いて来る。

「うん、友達よ」

望奈はサラッと言った。

「前に付き合ってたんだよな。それで別れたのに友達出来るって凄くないか?」

忍も明彦もかなり関心がある様子だ。

「私と暖は同じ劇団で練習してるから、その話とか」

「ふーん」

忍はオードブルの中に入っているポテトフライを摘んでいる。

「俺、今ドラマ出てるだろ?スタッフ達が言ってたんだよ。望奈と吹石暖がファミレスで盛り上がっていたのを見たって」

「あー。稽古の後、お腹空くからね」

「なあ、望奈はともかく、吹石暖は望奈に気があるかもな」

明彦が不意に言って、望奈はコーラで噎せてしまった。

「ちょっと、望奈、大丈夫?」

奈緒が望奈の背中を撫でる。

「大丈夫…… 」

望奈は手を上げて止めた。

「本当の所は如何なの?望奈」

奈緒も望奈の顔に迫って来る。

「ないない。いわば同士というか、師匠と弟子の関係」

「何それ?」

奈緒は目を丸くしている。

「演技に入ったら暖は滅茶苦茶怖いんだから」

「へえーそうなんだ。撮影で一緒になった事あったけど、穏やかな波みたいな人だったけど

な」

明彦はコーラを飲みながら言った。

「でも演技に妥協しないって聞いた事ある」

忍が丸いミックスピザを切り分ける。

「何で暖の話になるかなあー」

望奈はフライドチキンを手に取った。

「私は3人の話が訊きたい」

「あーいいよ。奈緒は忍の事が好きで。俺は奈緒が好きなの。だから3人で連んでるわけ」

明彦があっさり言った。

「明彦っていい奴なのよー。私としては可愛い彼女作って欲しいわけよ」

奈緒が腕を伸ばして、明彦の肩を叩いた。

「お前が望むなら、直ぐにでも付き合ってやるぜ」

「ダメー。私は忍が好きなの」

「まあ、こういう関係なワケよ」

「忍は?」

望奈がキョトンとした顔で訊いた。

「忍は誰が好きなの?」

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