貴方は私の事が好きでしょ? だったら? 私の言う事を聞いてくれるよね?
神石水亞宮類
第1話 貴方は私の事が好きでしょ? だったら? 私の言う事を聞いてくれるよね?
“貴方は私の事が好きでしょ? だったら? 私の言う事を聞い
てくれるよね?”
僕がずっと気になっていた女の子に、僕はそう言われる。
確かに僕は彼女の事が好きだけど? “彼女の言う事を何でも聞く
気までにはなれない!”
そもそも彼女が僕に何を言うか分からないし、聞いたからといって
何でも叶えてあげられる訳でもない!
だけど? “彼女は自信満々に僕にあの時そう言った!”
なんか? 物凄く嫌な気しかしなんだけどな。
『“前、私が言った約束憶えてる?”』
『そんなの憶えてる訳ないじゃん!』
『ふざけないで! 私の言う事を聞いてくれるって話でしょ!』
『僕は何でも君の話を聞いて、何でも叶えてあげられる男じゃないよ!』
『大丈夫! 貴方なら絶対に出来るわ!』
『出来ないよ! 僕はそういう男じゃない!』
『ねえ、聞いて? 貴方は強い男性よ! 大丈夫、貴方なら
絶対に出来るから!』
『その言い方が、怖いんだよ! 僕は何もしたくない!』
『“お願い、私を少しでも想ってくれてるなら? 私を助けると想って
協力して!”』
『“僕は人殺しはしない!”』
『えぇ!? 人殺し? そんな事、私が貴方にさせると思う? そんな事、
貴方にさせないわよ!』
『・・・じゃあ、なんなんだよ!』
『“私の元カレから私を救って!”』
『えぇ!?』
『もう別れて1年以上経ってるのに、元カレに付き纏われてるの!』
『・・・も、元カレに?』
『そう、私の為と想って助けてくれないかな?』
『・・・・・・』
『“貴方しか頼る男性が居ないの!”』
『・・・わ、分かった、僕でよければ! 元カレから君を助けてあげるよ。』
『ありがとう! 凄く嬉しいわ!』
『じゃあ、早速やろう!』
『うん。』
・・・僕は彼女の言葉を信じてしまった。
彼女が僕を頼って、元カレから助けてほしいと言われ僕は彼女を
助ける決断をしたんだ!
ただ? 彼女の元カレを実際見たら? 小柄で細身の男性だった。
どうも仕事をしていないのか?
時間あれば? “彼女をストーキングしていたみたいだ!”
そこに僕がこの男性に近づき、話をする事に、、、。
『“あの、彼女の元カレってあなたですよね?”』
『はぁ!?』
『彼女! 凄くあなたの事、怖がってますよ。』
『“アンタも俺と同じ、あの女の被害者か?”』
『えぇ!? ひ、被害者?』
『あの女は、本当に怖い女だよ! 俺のすべてを奪い取っていったからな。』
『“全てって? あなたの何を奪ったって言うんですか?”』
『全部だよ! 君も既に彼女の魔の手にかかってるみたいだな!』
『“魔の手って? どういう事だよ!”』
『彼女は俺の何もかも奪っていった! 少し時間があるか? ちゃんと俺の
話を聞くなら? 話をするよ。』
『・・・分かった!』
『でも? 今は彼女が俺達を何処かで見張っているから、話が出来ない!
またキミから俺に連絡してくれないか、これが俺の電話番号だ!
キミが時間がある時に俺に電話してきてくれ!』
『・・・あぁ、分かったよ!』
あの男が言った、彼女があの男のすべてを奪ったとはどういう事
なのだろう?
それに? 彼女が何処かで僕達を監視していたなんて、本当の話なの
だろうか?
僕は半信半疑ではあったが、あの男に連絡を取る事にしたんだ。
【プルルルル プルルルル プルルルル】
『もしもし?』
『あぁ! “今度! ○○の場所にPM11時に来てくれ!”』
『・・・あぁ、分かった。』
『じゃあ、彼女が盗聴しているかもしれないからもう電話は切る。』
『えぇ!?』
【プー――プーーーープーーー】
『・・・・・・』
彼女は何者なんだ? 盗聴なんて、絶対にあり得ないだろう!
あの男は、どこかクレイジーだ!
本当にこんな奴の事を、僕は信じていいモノなのか?
・・・でも? やっぱり僕はあの男の言葉が気になって仕方がない!
だからどうしても、僕はあの男に会わなければ?
僕はあの男が指定してきた場所に行こうと向かっていると?
どこから現れたのか? 彼女が僕の前に。
『“こんなところで何してるの?”』
『えぇ!?』
『一緒に家に帰ろう。』
『い、いや? 僕は今から知り合いの人に会わないといけなんだ!』
『“その人は誰?”』
『君の知らない人だよ。』
『“その人と会う事をやめてくれない?”』
『・・・ど、どうして?』
『どうしてもよ!』
『ごめん、それは出来ない! じゃあ、』
『待って私も一緒に行くわ!』
『ダメだ! 君は家に帰れ!』
『・・・・・・』
やっぱり彼女は僕達の行動を監視していたのか?
“彼女は何を隠してるんだ?”
僕はあの男の待ち合わせ場所に急いで行ったが、あの男はずっと
待っても来なかった。
その後、あの男が亡くなった事を後で知る。
あの男は僕に何を話そうとしていたのか?
何故? “亡くなってしまったのか?”
何より! 彼女とどんな関係だったんだ?
未だ僕は何も分からず、彼女を愛し続けている。
貴方は私の事が好きでしょ? だったら? 私の言う事を聞いてくれるよね? 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru
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