好きな作品の『面白さ』を抽出してみると、色々な発見があるかもしれないという話
『面白い』の話の続き、しましょうか。
まあ僕も正直なことを言うと「『面白い』なんてさっぱりわかんねーよ」って気分はあるんですけど、それでも勉強する方法はいくつかあります。
そのうちの有力な方法の一つが、
「商業作品の用意した『面白さ』を言語化する」
です。
商業作品と書きましたが、別にラノベに限らなくてもいいと思います。漫画、アニメ、ゲーム。漫才とかもいいし、もしかしたらゲーム実況なんかを含めてもいいかもしれない。色んな商業作品に触れて、自分が『面白い』と感じたものを言語化してみる。やってみると、結構感覚が掴めると思います。
なぜ商業作品と括るかと言うと、商業作品は、作者だけではなく誰か第三者の目が入った上で、一般的な目線で『面白い』と判断されたものが商品化されているからです。
逆に、一般的に見て『面白い』要素が入っていなければ、そもそも商業作品にはなりません。
※以下脱線。
ちなみに、炎上しそうな話になりますが、純文学はエンタメとは別枠と捉えたほうが無難です。
「純文学」と「大衆文芸」との大きな違いは、『純文学』は『面白さ』=『エンターテインメント性』では測れない芸術的価値を物差しとしている点です。
多くの人が「価値」と認識しないものを、美しく切り出すことによって生まれる芸術性が焦点なので、『面白さ』=『エンタメ性』を軸に考える大衆文芸とは別物なんですね。
そういうものも含めれば『面白さ』の枠は無限に広がりますが、まさしく「針の穴を通す」どころの話ではなくなるので、我々のような限界ラノベ新人賞投稿者としては、一旦は「別物なんだね」ぐらいに捉えておいた方がいいかと思います。
閑話休題。
以下、思いつくままに並べていきますけど、たとえば『ハンターハンター』のグリードアイランド編。
章開始時点ではツェズゲラによって試される側だったゴンたちが、ビスケとの修行によって試す側になるほど圧倒的な成長をする。
圧倒的な成長による立場の逆転。これ、めちゃめちゃ面白いですよね。
ガンダム『水星の魔女』。普段オドオドしていた転校生スレッタが、ひと度ガンダムに乗ったらめちゃめちゃ強い。
これだけでも面白いのに、クラスのカーストTierトップだった高飛車なグエルを負かし、負かされたはずのグエルが逆にスレッタに求婚する。この意外性。これも面白い。
『ぼっち・ざ・ろっく』の、陰キャ引きこもりコミュ障のぼっちちゃんが、長い引きこもり期間の鍛錬を経て凄腕『ギターヒーロー』となり、ライブで圧倒的なパフォーマンスを見せる。面白っ。
他にも、
・デスノートというチートアイテムを手に入れた超優等生が、犯罪者を次々と粛清し、新世界の神になる『デスノート』
・アイドルオタクが推してるアイドルの子どもとして転生し、その生活を謳歌していたがある日そのアイドルを殺され、復讐のために芸能界に身を投じる『推しの子』
・クラス全体で異世界転移して、クラスの一軍が勇者なのに自分はよくある一般職だった主人公が、仲間に裏切られ置き去りにされたダンジョンで、魔物を喰ってサバイバルする中で覚醒し、最強になる『ありふれた職業で世界最強』
まあ他にもいっぱいあると思うんですけど、とりあえずこのくらいにしておきます。
やっぱり有名な作品は有名になるだけあって、短文にまとめても擦り切れない『面白さ』があると思いませんか?
ここに挙げただけでも、色々と共通点が挙げられそうですよね。
たとえば、『落ちこぼれからの逆転』。
『成長と覚醒』。
『意外性』。
ここには挙げてませんが、『ドカ食い望月さん』(それは違うか…?震え)や『キャンプ系』、『姫様拷問の時間です』とかに代表される『グルメ』、WEBで全盛の追放系や婚約破棄系に代表される『ざまあ』などなど、探せば他にも色々ありそうです。
こういう面白さからエッセンスを抽出し、組み合わせることでまた新しい面白さが生まれるかもしれません。
また、好きな作品の何が好きなのかを突き詰めることで、自分の適性が見えてくるかも?
色々な発見があると思うので、作品に触れるたびにぜひやってみてください。
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