『推しの子』の炎上と、キャラの行動がどう受け取られるかは、まさにその『キャラ』によるんじゃないかという話

初めて★評価をいただきました!


ありがとうございます!

とても励みになります!


役に立つことが書けているかはわかりませんが、気が向いたらまた遊びに来てください。



『面白い』とは、の続きを書こうかと思ったんですが、最終盤に入った『推しの子』のとあるキャラの行動が、限界SNSことX(旧ツイッター)でボウボウと火の手をあげていたので、ちょっとその話に触れたいと思います(と言いながら火中の栗に手を突っ込む


具体的な行動についてはネタバレになるので言及を避けますが、さすがに一線級、プロ中のプロの作品だけあって、キャラ感情の発露として十二分に理解できるものではありました。けれども一方で、倫理的な面でひっかかってしまう読者もいるだろうな……というのが僕の正直な感想でした。


これは、昨今のエンタメ作品に対する個人的な印象ですが、『キャラの行動に対する倫理的な許容範囲』は年々厳しくなってきているなと感じています。


それは、ワイドショーやSNSで見られる、有名人の言動に対する批判の厳しさと、どこか呼応しているような気もします。


現実の有名人に向けるような視線を、作中のキャラにも向けているとでも言いましょうか。


「フィクションと現実をごっちゃにするな!」みたいに、批判に対する批判として言われることもありますけど、人間の感情は理屈とは違いますので、しょうがない面もあるんじゃないかな…。まあ、それにしても厳しすぎるよな、と思うことは多いですが…。


とはいえ、この件から我々創作者が得るべき教訓は、『キャラのヘイトコントロールは結構大事だぞ』ということかな、と思います。


そのキャラの行動が、客観的に見て読者にどう映るだろうかを考えるのはとても大事です。


それは「キャラ全員を優等生にしろ」ということではなく、「そのキャラが読者からどう見えているかを自覚して書こうぜ」ってことじゃないかなと思います。嫌われるなら、自覚的に嫌われよう。


キャラ作りのこともいずれ書こうと思っていますが、キャラはなかなか作者の思う通りにはなってくれないものですし、作者の思った通りになるキャラなんて全然いいキャラじゃないよね、というのもあります。


また「その行動がどう受け取られるかは、まさにその『キャラ』による」というのもあります。


芸能人とかでもそうだと思うんですけど、同じ暴言を吐いたとしても、「清純な、いい人系キャラ」で売ってた人と、「奔放に発言するオラオラ系キャラ」では、見ている人に与える印象は大きく違います。前者の場合、元々のキャライメージとのギャップが、悪印象をより強めてしまうんですよね。


逆に後者の場合、その人がいいことをした時、元の印象からのギャップで、好印象が大きくハネたりもします。


古式ゆかしい話ですが、「ツンデレ」なんかはその典型ですよね。普段ツンツンしているからこそ、デレた時のギャップによる破壊力が猛爆になるわけです。


後でダメな行動を取らせるなら、前々からそういう印象を与えておいて、その時のダメージを軽減する手法もあります。また逆に、ギャップを逆手にとって、魅せたいシーンの前に真逆の印象を与えておくとかも。こういうのも一種の「ヘイトコントロール」だと思います。


ドラゴンボールのベジータなんかは『ギャップ』が活かされた好例です。「サイヤ人の手で」とか、「お前がナンバーワンだ」とかね。もしかしたら、意識的にやられているわけではないかもしれませんが、僕ら限界投稿者がベジータから学ぶことは本当に多いです。


前掲した『推しの子』の事例は、元々の展開からキャラに蓄積されたヘイトが、そのキャラの倫理的にアカン行動によって、受け手の許容閾値を超えてしまった、ということなのかなと思います。もしかしたら、逆転の前フリかもしれないので、結論は最終回を迎えるまでわかりませんが…。


キャラは本当に難しいし、正直僕もよくわかりません。



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