大勢よりもひとりが良い
星咲 紗和(ほしざき さわ)
本編
私は、仕事に取り組む際、ひとりで完結する作業が好きです。大勢で一緒に並んで行う仕事もありますが、そういった場面ではどうしても集中が乱されてしまい、自分の力を発揮しにくいと感じることが多いのです。だからこそ、自分の空間で、自分のペースで取り組むことができるひとり作業が、私にはぴったりなのです。
自分の特性として、少しでも多くの刺激が周りにあると、気が散りやすい傾向があります。声や音、視線など、周囲の動きや物音に意識が向いてしまい、頭の中で考えを整理したり、作業に集中したりするのが難しくなってしまうのです。たとえば、作業に集中しようとしているときに、誰かが隣で話しているのが聞こえたり、視界に他の人の動きが入ってきたりすると、どうしてもそちらに意識が引っ張られてしまいます。こうしたことが続くと、最初は意識していなくても、やがて疲れを感じ、作業効率も下がってしまいます。
幸いなことに、私の職場では、私の特性に配慮してくれています。職員の方々は、なるべく私がひとりで作業に集中できるように、環境を整えてくれています。私が無理なく、安心して作業に向き合えるように配慮してもらえることは、とてもありがたいことです。そのおかげで、気兼ねなく自分のペースで仕事ができるようになり、私の力を発揮しやすくなっています。
ひとりで集中して仕事に取り組むことには、多くのメリットがあります。まず、自分の思考を整理しやすくなり、やりたいことや考えたいことに深く向き合えるという点です。誰かと話し合いながらの作業ではなく、ひとりの時間を大切にしながら、自分の思考を掘り下げていくことで、考えがまとまりやすくなり、効率的に進められることも多いのです。これは、私にとってとても大切なポイントです。
また、ひとりで作業することで、責任感も高まります。大勢で行う作業では、誰かが自分のミスをフォローしてくれるかもしれないという安心感がある反面、ひとりで行う作業には、すべてを自分で管理しなければならないという責任が伴います。もちろん、それがプレッシャーになることもありますが、逆に言えば、自分のやり方やペースで全体をコントロールできるという自由も感じられるのです。その自由さが、私には心地よく、責任を持って仕事をやり遂げたいという気持ちを強くしてくれます。
さらに、ひとりで作業することで、集中力も高まります。周りに気を遣うことなく、自分だけの空間で作業に没頭できることで、無駄なエネルギーを使わず、効率的に作業が進むのです。特に、静かな環境で自分だけのリズムを作りながら仕事をすることは、私にとっての理想の働き方です。作業に没頭していると、時間があっという間に過ぎ去ることもあり、それがひとつの充実感につながっています。
しかし、もちろん、ひとりで作業することにはデメリットもあります。特に、他の人とのコミュニケーションが減ってしまう点です。大勢で作業することで得られる意見交換や新しい視点といったものが失われがちです。だからこそ、私は普段の仕事ではひとりで集中する時間を確保しつつも、時折、職員の方々や同僚と意見を交換する場を持つことも大切にしています。このようにして、ひとりでの集中と他者との関わりのバランスを取りながら、最も自分らしく働ける方法を模索しています。
私にとって、仕事における「ひとりの空間」は、自己成長や自己表現を可能にする貴重な場所です。他の人がどのように働いているかはもちろん尊重しますが、自分には自分に合ったやり方があり、それが「ひとりで完結する仕事」だと実感しています。大勢での作業が合う人もいれば、ひとりでの作業が合う人もいる。それぞれの特性や価値観を大切にし、自分のペースで働けることが、最終的には満足感ややりがいにつながるのだと信じています。
このエッセイを通して、私と同じようにひとりで作業することが好きな人に共感を得てもらえたらと思います。そして、働き方には多様なスタイルがあること、ひとりで集中する時間がどれほど大切であるかを伝えられたらと願っています。
大勢よりもひとりが良い 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92
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