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「なんか色々スイマセン……。僕、いつもこうなんですよ。何をやっても上手くいかなくて、数年前に目覚めた時も……」
「数年前に目覚めた?」
男は意味深な言葉を発した後、自身の首を軽く撫でた。そこには何かを巻き付けたような痣が薄らと伺える。
「その痣……」
「あ、ごめんなさい。暗かったですよね?」
「いいから。それについて答えろ!」
俺の質問にしおらしく顔を伏せた男は、ぽつり、ぽつりと話す。
「これは、その…学生時代に嫌な事があって。それで……」
「吊ったのか…?」
「……ハイ」
惚れたはれたのいざこざで自暴自棄に陥り、突発的にやったと男は告げた。幸い発見が早かった為、命を落とさずに済んだという。
「それから暫く意識不明だったらしくて、気付いた時には病院で横になってました。アハハ…」
「そーかよ」
自傷気味に笑う男に呆れながらも、俺は朧の事を思い出していた。
『好きだ』と告白したあの日以来、二度と学校に来ることは無かった朧。担任も朧のことは何一つ触れず、気付くと俺は二年に上がっていた。
そして再び出会ったのが、あのオバケの姿をした朧だ。
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