13
次の日の放課後、暗くなってからまたオバケを呼んでみる。しかし昨日と同様にオバケは姿を現す事なく、時間だけが過ぎていった。暫く粘ってみたものの八時を過ぎた頃、仕方なく切り上げた。それからというもの、放課後残ってはオバケを呼ぶだけの日々が続いた。
「おーい…まだ居ないのか?」
毎日の様に暗い教室には俺の声だけが虚しく響く。季節はとっくに夏が過ぎ去り、秋が訪れていた。
「なぁ、いつになったら姿を見せてくれんだよ……」
誰もいない教室で独り言をぼやいてみるが、誰からの返事も返って来ず、溜め息を吐いては扉を閉めた。
あれ以来、オバケはパッタリと姿を見せなくなった。それと同時に、あの夢もみなくなっていた。俺は未だに不思議でならなかった。何故オバケは姿を現さなくなったのか、そして何故あの夢をみなくなったのか……。
それから暫くして冬がやって来た。しかし、オバケの姿は相も変わらず何処にもいなかった。
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