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オバケと出会ってから数ヶ月後。学生のイベント行事である修学旅行が近づいていた。
「もうすぐ修学旅行だとよ…」
「良いなぁ。楽しそうだね!」
いつもの様に放課後残ってその話をしたら、オバケは机に座りながら足を動かし、なんとも楽しそうに話を聞いていた。
「お前もついて来いよ。同じ班に入れてやる!」
「僕は行けないよ。この教室から出られないもの」
「……だよなぁ」
そう、コイツは“オバケ”だ。この教室限定の所謂地縛霊らしい。だからこの教室からは出られないのだと本人は言っていた。
「一緒に行けりゃ良かったのになぁ…?」
「残念だったね」
「数日間は会えねぇしなぁ。寂しいだろ?」
「別に……」
「おい。そこは寂しがれよ!」
オバケは仕方なしに『分かった』と笑う。それが何とも腹立たしい。
「お土産買ってこねーぞ?」
「要らないよ」
「菓子がいいか?それとも名物品か?」
「お供え物する気?僕、口はあるけど食べられないんだけど……」
「じゃあ食いもん以外に何か買ってきてやる!!」
『ホントに要らないからね?』そう言われて此方も意地を張り『絶対に買ってきてやる!』と念を押す。オバケは溜め息混じりに笑って、じゃあ楽しみにしてると渋々呟いた。
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