第17話 ゲーム
ループした先は、任務に赴く少し前だった。
まず誰が操作しているのか、探さなきゃ。
「ねぇ、さぁちゃん」
「はい?」
にこやかと、笑みを浮かべてさぁちゃんが言った。
「さぁちゃんってゲームとかってする?」
「ゲーム、ですか?しますよ〜、ババ抜きとかUNOとか!」
さぁちゃんの無邪気な笑顔を見て、確信した。
彼女はこの奇妙な世界の真実を、何も知らない。
彼女を巻き込むわけにはいかない。
次は、ニさんだ。
「ニさん!」
ニさんは、ニッと白い歯を見せ、言った。
「お?なんだ?」
「ゲームって知ってますか?」
ニさんの顔が一瞬引き締まり、鋭い視線が私に向けられた。
『リトライか?』その言葉に驚きが混ざり、緊張が一気に走った。
「え?」
「あっ、いや違くて」
その後、問い詰めると、二さんはあっさり白状した。
ニさんは肩をすくめながら「バレちまったか」と笑った。
でもその目には真剣さが宿り、「俺も、みんなを幸せにしたいんだ」という言葉に嘘はなかった。
一人で何度もループを繰り返してきた私にとって、共に戦う相手がいることが、どれほど心強いことか。
「よろしくお願いします」と頭を下げると、ニさんは快くうなずいてくれた。
「じゃあ、作戦を練るか」とニさんが笑った。みんなを救うために、私たち二人が何をすべきか。次のループこそ、絶対に成功させてみせる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます