第17話 マーリン(2)
その後も話は盛りあがり、
あっというまに日が暮れて夕ご飯の時間になって、ご飯を食べているときもその盛り上がりは続いた。
そのままエレナは、乗ってきた飛行船の修理が必要ということもあり、孤児院に泊まっていくことになった。
夕ご飯を食べおわり次第、飛行船の修理に取り掛かるらしい。
ご家族含めて王都まで送りますよ、
今度こそ、絶対に飛行船に乗っていただきますからね、と、やけに張り切っていたのが気になるが、
もちろん喜んで乗らせていただこう。
地味に王都までの道のりは遠いからな。
飛行船でミラや子どもたちも一緒に連れて行ってくれるのは非常にありがたい。
ミラや子どもたちも、
是非是非飛行船に乗ってみたいとのことだった。
ムウは工作とか、ものを作ることが好きな子だから、飛行船にとっても興味があるようでいつもの無表情にみえて、目をキラキラ、鼻の穴をひくひくさせてたくらいだし。
明日は快適な空の旅になるのだろうか。
そう思いながら眠りについた。
………
翌朝、
目を覚ますと外の方からにぎやかな話し声が聞こえる。
飛行船の修理の様子を見に行くと、飛行船の修理はもう終わったのか、
目のしたに大きなくまをつけながらもやけに興奮しているエレナと、満足気なムウの2人が楽しそうに話をしているところだった。
疲れているだろうに、飛行船が気になる工作好きなムウの相手をしていてくれているようだ。
「おはよう。修理は終わったようだね、エレナ。」
「あっ!お師匠様!おはようございます!はい。これで王都までひとっ飛びですよ!」
「そうか!よかったよかった。ムウも飛行船に乗れて楽しみだね。」
「…うん!」
ムウもご満悦である。
「さあ、朝ごはんの時間にしようか。エレナもご飯たべて少し休んでね。そしたら出発しようか。」
その後朝ごはんを食べながら皆と相談した結果、王都への出発は午後一となった。
いよいよ、王都での暮らしか……。
不安なことしかないが、
自分が不安がっては、ミラも子どもたちももっと不安になるだろう。
なるようになるさ、と、覚悟を決めて、
王都に向かうとしよう。
家族と一緒ならなんだってできるさ!
そう思いながら、
ミラの方を見ると、
大きく頷いて、微笑んでくれた。
よし、頑張ろう!
いざ、王都へ!
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