第12話 マーリン(4)
昨日はゆっくりミラや子どもたちと王宮での話やこれからの話ができた。
改めて子どもたちは、慣れ親しんだ場所を離れる不安よりも、はるかに王都での新しい暮らしにワクワクしているようだということがわかった。
もしかしたら、自分に気をつかってくれたんじゃないかとおもったが、まったくそういうことはないらしい。
逆に「一緒に暮らせないほうが嫌だ」、と結構迫力ある表情で4人に言われたくらいだ。
一緒に暮らしたいと思われているということは本当に嬉しいことであるし、ありがたいことだ。
一晩明けて、
今日は早速、王都への引っ越し準備の日だ。
引っ越しの準備といっても、
当たり前だが、引っ越しトラックのような便利なものはないので、孤児院中の荷物を持っていくことはできない。
王都での住居や暮らしに必要なものは手配してくれるようなので、
必要最低限の荷物と王都までの移動に必要なものを持っていくくらいかな。
いま住んでいる孤児院の管理については、
ミラが知り合いに頼んでおくとのことだったので、ミラに任せておこう。
子どもたちも支度をしているようだし、
私は私で、
忘れないうちに巣立った子たちに手紙を書いていこう。結構な人数いるからな、頑張ろう。
……………
あと一人手紙を書けば終わりかあと、
窓の外を見ると、結構日も高く登っている。
もうそろそろ昼ごはんかなと呑気に思っていたら、
遠くの空に何かが見えた。
最初は鳥かな?
くらいに思っていたら、どんどん大きくなってくるではないか!?
あれはなんだ!?
モンスター?
ドラゴン?
いや
飛行船??
物凄い勢いでなにかこっちに突っ込んでくるではないか!
そして、
空中で突然爆発すると、
それは、孤児院の前に墜落した。
どうやら飛行船らしい。
この世界にも飛行船ってあるんだなあと思っていたら、
「お師匠様ぁ〜!!!いきなり攻撃するなんてひどいじゃないですかぁ〜!!」
そして中から魔法師団長であり、最近弟子になったエレナが泣きながら出てきた。
なんかよくわからんが、すまん。ととりあえず謝ることにした。
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