「駒」
影との激しい戦いが続く中、亮たちは徐々に追い詰められていた。影の動きは次第に速くなり、亮たちの攻撃は空を切るばかりだった。
「くそっ、いくら倒してもキリがない!」亮が息を切らしながら言った。
そのとき、男は不敵な笑みを浮かべ、戦いを一時中断するように影たちを引き下がらせた。
「どうだ?異世界の力を持つ者たちの末路を、少しは理解できたか?」
亮はその言葉に眉をひそめ、「どういう意味だ?」
男はゆっくりと腕を組み、不敵な眼差しで亮たちを見下ろした。「お前たち異世界の者が、この地に集められているのは偶然ではない。この世界には、ある『存在』が関与しているのだよ」
リナが戸惑いながら問いかける。「存在…?」
「そうだ。異世界の者をこの世界に呼び寄せ、その力を利用しようとする力が働いている。この世界の根本を覆すような存在、いや…神のような者がな」
亮は唖然としながら男を睨んだ。「まさか…俺たちがここに来たのも、その存在のせいだってのか?」
男は冷たく笑い、「そうとも。お前たちはただの『駒』だ。この世界に生じた異常を正すための、いわば生贄のようなものさ」
その言葉に、亮たちは戦慄した。自分たちの力が、誰かに操られるためだけにこの地に引き寄せられたというのか。
「だが、俺たちにも選択肢はある。こんな世界で利用されるだけの存在として生きるか、それとも己の力でこの運命を打ち破るかだ!」
亮は強く拳を握りしめ、目に決意を宿した。「…誰かの駒なんかじゃない。俺は、自分の意志でこの世界を救うために戦う!」
男は冷ややかに亮の決意を見つめ、「ならばその意志、どこまで通用するか見せてもらおうか」と再び影を操り、亮たちへ攻撃を仕掛けた。
スキル「パラレルワールド」で異世界をのんびり過ごしたい。 @ikkyu33
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