異世界から来た仲間たち
亮は、村を守った後、再び旅を続ける決意を固めていた。これから何が待ち受けているのか分からない。だが、自分の力で少しでも多くの人を助け、守るためには進まなければならないと感じていた。
村人たちに別れを告げ、彼は歩き出す。その道中、やがてひとけのない森に差し掛かる。ここから先の道は険しく、次の町まで数日かかると言われていた。亮は少し気を引き締めて歩き続けたが、ふと気配を感じて足を止めた。
「誰かいる…?」
声を掛ける暇もなく、突然森の中から二人の人物が現れた。亮が目を凝らすと、その二人はどこか異世界から来たような不思議な雰囲気を漂わせていた。服装や武器に見覚えがない。亮は警戒しながらも、彼らに向けて声をかけた。
「おい、君たち、どこから来たんだ?」
二人は亮を見つめ、少し驚いたような表情を浮かべた。ひとりは黒髪の青年で、鋭い目つきをしている。もうひとりは、銀色の髪を持つ女性で、穏やかな笑みを浮かべていた。
「おや、君も異世界から来たのか?」
その銀髪の女性が、にっこりと笑って亮に尋ねた。
「異世界…?」
亮は戸惑いながらも、その言葉に耳を傾ける。銀髪の女性は頷きながら続けた。
「私たちも、君と同じように異世界から召喚された者たちだよ」
黒髪の青年も、それに続けて言った。
「俺たちはあっちの世界で、一応戦闘をこなしてきたが…まあ、どうにも居心地が悪くてな」
亮は驚きながらも、自分と同じように異世界から来た者がいると知って、少し安心した気分になった。彼らはどうしてこの世界に来たのか、そしてなぜ戦ってきたのか、それを詳しく聞きたかった。
「それで、君たちはこの世界に来て何をしているんだ?」
亮が尋ねると、銀髪の女性が少し考え込み、言った。
「私はリナ。あちらの世界では、魔法使いとして使われていた。でも、この世界ではどうしても戦う必要があってね」
「俺はカイ。剣士だ。リナと一緒に、この世界を回って色々と調べてる。どうやら、俺たちと同じように異世界から来た者たちが複数いるみたいだ」
「複数…?」亮はその言葉に驚き、さらに質問を続けた。
「それって、どういうことなんだ?俺も異世界から来たけど、まさかそんな人が他にもいるとは思ってなかった」
カイは軽く肩をすくめながら言った。
「実は俺たちも最近知ったばかりだ。異世界から来た者たちがこの世界に集まり、何か大きなことが起こる予兆があるって情報があった」
リナが続けて話す。
「私たちも、その一端に関わっている気がして、少しでも情報を集めるために動いているの。でも、私たちだけではどうにもならないことも多いから、君の力も必要だと思ってね」
亮はその言葉に驚きつつも、心の中で何かが動いた。自分がこの世界でまだ成し遂げていないこと、そして同じように異世界から来た者たちと協力して何かを成し遂げることができるかもしれないという思いが湧いてきた。
「なるほど…じゃあ、俺も君たちと一緒に行動するよ。せっかく同じように異世界から来たんだ、協力できることがあれば、力を貸したい」
リナとカイは嬉しそうに顔を見合わせ、そしてリナがにっこりと微笑んだ。
「ありがとう!一緒に行動できることを楽しみにしてるわ」
カイも軽く頷き、腕を組みながら言った。
「お前、なかなか面白いヤツだな。よろしく頼むぜ」
こうして亮は、リナとカイという新たな仲間と共に旅を続けることになった。彼らもまた異世界から来た者たちであり、この世界で何か大きな陰謀が渦巻いていることを感じ取っていた。亮はその仲間たちと共に、自分の力をどう使うべきかを模索しながら、次第に新たな世界の真実に迫っていくのだった。
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