途中の章を飛ばしてのコメント失礼します。
目次を眺めていたら、大好きな小説のタイトルが目に入ったので、こちらを先に読ませて頂きました。
精神的にはライ寄りだけど、生活は由嘉里。
凄く分かります。
個人的には、ホストのアサヒが好きでした。女性関係は無茶苦茶だけど由嘉里が暴走してる時のブレーキ役になったり、彼女さんと本気で別れそうでしんどいから由嘉里の旅行についてきてくれたり。
男女で行動してても恋愛の雰囲気に1ミリもならない安心感も好きです。
西奈様は、文学作品への分析が巧みですね。
私は「なんか凄かった」で終わらせることが多いので見習おうと思います!
作者からの返信
ガビ様
島本さんに続き、金原さんもとは!
文庫でなら、島本さんと金原さんの作品はコンプリート(まだ読めてはいませんが💦)しています。「ミーツ・ザ・ワールド」を初めて読んだとき、金原さんの一つの到達点だと感じ、もう感情がめちゃくちゃになりました笑
>男女で行動してても恋愛の雰囲気に1ミリもならない安心感も好きです。
金原さんが描くドライで濃密な人間関係が活きてましたね。一種の、死生観を表現した作品だと思いますが、本当に金原作品の当事者は、そうしたテーマと相性がよく、どこからこんな発想が生まれるんだと。
ちらっとエッセイで読みましたが、金原さん自身十代から(?)自殺願望に苦しみ、今もそこから完全に自由になったわけではないと。
90年代はドクター・キリコ事件や、南条あやさんの死去、完全自殺マニュアルがおまもりとして流行したことが記憶に残る時代でしたが、今の時代は、こうした新しいタイプの文学が報われない心の受け皿になっているのではないかと思います。
雨の降るように 「ナラタージュ」/島本理生への応援コメント
コメント失礼します!
島本理生さんの作品は、『ファーストラヴ』と『夏の裁断』は読んだことがあります。
2冊ぽっち読んだだけの私が言うのもなんですが、西奈様が本文で書いている島本理解さん作品の特徴に、うんうんと頷きながら読みました。
知性と優しさの溢れる、素敵な作家さんですよね。
『ナラタージュ』はまだ読んでないので、これを機に本屋さんを探してみますね!
作者からの返信
ガビ様
カクヨムで島本作品を読んだことがある方、初めてお見掛けしました!
じつは「夏の裁断」は何回か読んだのですが、「ファーストラヴ」は主人公が同業者なので、持っているのですがなんとなく読めていません笑
島本さんは相変わらず大好きで、有料の対談動画も見たのですが、ガビさんが仰る通り「知性と優しさの溢れる」お嬢様、という感じの方でした。
ようは聡明な才能のかたまり、という感じの方なのですが、その人が現実をフィクションに昇華したとき、あのような世界がかたちになるのかと感慨深かったです。
島本作品では、入り口は「ナラタージュ」ですが、私の読書生活の中でも指折りのバイブル、「アンダスタンド・メイビー」もお勧めです。
最後になりますが、まさかこのエッセイに新しい読者さんがつくとは思いませんでした笑(ちなみに、ガビ様が今年お二人目です)
【映画】堕ちる/「薬指の標本」への応援コメント
え、『薬指の標本』、今の積読の後に読もう。
実は、『博士〜』の方は私は完読できなくて…。
毎日、その靴を履いて欲しい
これは耽美ですね。うん。耽美は生々しくないからいいんですよね。私、多分、この世の性的なものの中で耽美小説が一番好きかも。官能小説みたいなリアルな描写ではなくて。
『冷静と情熱のあいだ』って官能的だったかな…江國香織はなんか女々しいから耽美ではないと思うの。耽美って性的なものを突き放して冷たくみる事で熱さを切り抜くみたいなのが必要だから、女性には難しいのかな…。男性の方がフェチに拘りがあるような気がします。でも、小川洋子が見事なのであれば読んでみようと思います。
本音を語り過ぎているので、このエッセイの読者が増えてきたらコメントを編集するか削除するかもしれません(〃ノдノ)
お大事にしてくださいね。
作者からの返信
葵様
今回も、葵様節の効いたコメントで、その切れ味の良さに笑ってしまいましたw
さて、どこからお返事を・・・・・・。
私、基本的に小川洋子作品は耽美派の作品だと思っているんですよね。
ただ、世間的に有名になるのが「ホワイト」寄りの作品が多いので、なんだか優しい世界が広がっているように思われがちな気がしますが。
小川洋子さんの真髄は、静けさと残酷さが美に昇華されている。
私としては、この一言に尽きる思いです。
思いっきりフェティシズムといえば、「ホテル・アイリス」なんかも。
(ファンの私が、引くレベルでしたw)
>『冷静と情熱のあいだ』って官能的だったかな…江國香織はなんか女々しいから耽美ではないと思うの。
この本、読んだことがないので何ともなんですが、彼女、「ホーリー・ガーデン」がものすごく好きなんですよね。で、「男の人には分からないと思おう」って言ってて、実際あの作品はいまいちよさが分からなくて💦
「女々しい」。ああ、言われてみれば、確かに。
「流しのしたの骨」とか、わりと中立的な感じがするんですが、「号泣する準備はできていた」とか、「赤い長靴」とかとは、また違う味わいですよね。あの感情の流れ方と視点は、江國さんが主に女性受けする理由なのかなと思います。
>男性の方がフェチに拘りがあるような気がします。
これも、そうかも。というのは、ある殺人犯が女性の髪をシャンプーすることに異常な執着を持っていて、最終的に彼は純粋にシャンプーをするためだけに殺人を犯した、という事件があったんですよね。
他にも何件か思いついたのですが、男性が多いです。女性もいないわけではないですが、知っている限りでは少数派。
>本音を語り過ぎているので、・・・・・・
たぶん御三方以外誰も来ないと思いますので、大丈夫ですよ!ww
>私、多分、この世の性的なものの中で耽美小説が一番好きかも。官能小説みたいなリアルな描写ではなくて。
これは、課題になりそうです。分かりやすく皆川博子作品みたいな、ゴシック調の作品なんかも好きなんですが、ああいう世界は自分は向いてない(こういう勘は、当たるんです)。
ただ、「耽美」って一時期すごく憧れてたんですよね。
ゴスロリは纏えなかったけど、何か書けないかななんて思います。
編集済
【映画】「名」の尊厳/「サラの鍵」への応援コメント
「サラの鍵」興味深いです。気が強いわりに映像で残酷シーンを観る事ができない(ドキュメンタリーはok)ので、手に取る勇気が出ないのですが…。
弟の為であれば、毅然とした表情で対等に右手を差し出したところ、印象深いですね。
>しかしその行為が、今を生きる者らの傷をいたずらに抉る行為
というところ、深く頷きました。誰かだけを悪者にすれば浮かび上がらない傷ってありますよね。
そして、文学。
>それは、必要な人には届く。必要がない人には、別のものが届く。あるいは、何も届かない
これなんですよね。勿論、絵画や映像、演劇など二次元三次元の芸術もそうだとは思いますが、文学って読み手の資質や感性、経験にすごく左右されるのです。そこにすごく惹かれますし、陶酔感と悟りを得られるのが醍醐味だと想っています。
一対一の関係になれるのも魅力で。西奈さんと島本理生、嘗ての私とプルースト、柊さんとモーパッサンみたいな、ね(*´-`)
作者からの返信
葵様
連行されるシーンはあれど、手を下されるシーンは出てこないので、直接の刺激は少ないと思います。ただ、人の死は避けられませんが・・・・・・。
(無理強いはもちろんするつもりはありませんが)私は、あのシーンのためだけでもこの映画を観る価値があると思います。
ラストシーンにも、マジでやられました( ̄▽ ̄;)
文字とは違う表現って、やっぱりあるんですね。
ちなみに「サラの鍵」は、邦訳本が出ています、とだけ。
>誰かだけを悪者にすれば浮かび上がらない傷ってありますよね。
あえて言えば、時代が、ということでしょうか。
ただ、作中で描かれる人間の色は多様で、ここで私が性悪説を取り出した意味もそこにあります。
全てが、とは言いませんが。
>一対一の関係になれるのも魅力で。西奈さんと島本理生、嘗ての私とプルースト、柊さんとモーパッサンみたいな、ね(*´-`)
葵様の推しは、プルーストでしたか!
私、フランス文学って、この前のデュラン意外だと、サガンくらいしか読んだことがなくて。ちょうど良い機会なので、今度挑戦してみます!
ちなみにモーパッサンは、柊さんのエッセイを読んで、「脂肪の塊」と「女の一生」買っちゃいましたよ(笑)
そして今は、島本理生がインタビューで取り上げていた、ジョン・アーヴィングの「第四の手」を読んでリハビリ中ですw
この時点で、誰が何に惹かれるか。もう三者三様ですものね。
そうそう。例の「官能小説」。
私、山田詠美さんの「ベッドタイムアイズ」の有名な出だしから、まったく離れられなくなっています。大学生のとき以来、読んでないのに笑
書けるかどうかは未知数を通り越して、謎です。
あきらめてはいません(⌒∇⌒)
表と裏のメッセージ 「挑発する少女小説」/斎藤美奈子への応援コメント
少女物語が、人間や、生きる勇気と応援📣になってくれる。いい(・∀・)イイですね!
作者からの返信
トシキマイノリティーライター様
鮮やかな読み直しでした!
そうなんですよ。少女小説ってたいてい、良妻賢母の要素のどこかに落ち着くイメージがあったので食わず嫌いを押し通してたんですが。
この本、本当に面白くて、ほぼ一気読みしました!
ちなみにここで取り上げられた本、この本を読んでからほぼ揃えました(笑)
こんにちは。
西奈さんの描く恋愛小説、読みたいなって密かにずっと思っています。
莫大な感情を伴うほどの恋愛関係に、私が身を焦がしたような経験がない
と文中にあり、以前、私の恋愛は台所のような日常のようなものというニュアンスのことを仰っていたような記憶がありますが、そういう恋愛が描かれた小説も読んでみたいなって思うのです。
そういう中に、まれに瞬発的に感情を動かされたり核心を突くような描写があると引き立つというか。淡々としているのに繊細で時々炎や氷がチラつくというか。
いつか…ぜひ。
作者からの返信
葵様
お久しぶりですー!! またお話しできて、感激しております!
そして、まさかまさかのご要望。全然予想してない方向から、球が飛んできてびっくりしました(笑)
あれだけ島本理生作品大好きだと繰り返しながら、自分で書こうと思ったことが全然ないんですよね。恋愛小説→江國香織・山田詠美・島本理生・金原ひとみ・綿矢りさ・山本文緒、等々・・・・・・という、すごいラインナップしか浮かばなくて・・・・・・。
豊島ミホという元作家さんの「エバーグリーン」という王道青春恋愛小説が大好きなんですが、これはちょっとした例外的な立ち位置です。
葵さんのお言葉を借りて、「台所」の恋愛小説を私がもし書くとするならば、なんだかスローライフの物語になっていきそう・・・・・・笑
それはそれで何か書こうと思えば書けるかもしれないですが、違うかたちで挑戦したものを少しずつ用意しているので、下書きが溜まって、何とかなりそうと思ったときは、公開するかもしれません。
(未公開のまま終わった作品も、かなりありますので💦)
愛された空白 「ひとりでカラカサさしてゆく」/江國香織への応援コメント
西奈さん、お久しぶりです。ちょっと体調を崩しておりましたが、復調いたしました。
私が江國香織を好んで読んでいたのは二十歳前後で、最近の彼女の作風を知らないのですが、確かに前の作風だとnanaさんのレビューが核心を突いているように思いました。
当時、恋愛をしていた私には寄り添うように感じたのかも。所有できないというか一つになれないもどかしさに。結局、人間は一人なのだという甘美な侘しさを感性で描く作風だと思います。中年の今は再読するのがなんとなく恥ずかしく、手に取れないでいます。
作者からの返信
葵様
お久しぶりです!体調、回復されたとのことで、何よりです。
この時期、この気候、こたえますよね・・・・・・💦
「所有できないというか~・・・・・・」。ああ、その表現のほうが私にも分かりやすいです。葵様の「青いつばめ」を思い出しますね。
後輩の子が江國香織の大ファンなのですが、葵様のような方と話せると、彼女も楽しいだろうなと思います。ちなみに彼女は、島本理生は「湿気が強すぎる」と評してましたw
江國作品って、読み解くというより感じるもののような気がします。
潔癖というわけでもないのに、無粋な言葉をはじくのですよね。
その完結された世界が見たくて、私は時々手を伸ばします。
かくいう私も、そう若くはないのですがw
テレビのボランティア系番組のような?本人の意識よりも第三者が気持ちよくなるのが目的、という図式にも重なります。おそらく女の子が元気になった方が「いいお母さん」になってくれて「健全な社会」を支えてくれそうですし。そういうのが絡み合った作品なのかなと思いました。面白そうです。
作者からの返信
柊様
体調を崩しており、お返事がとても遅くなりまして申し訳ありません。
そうですね。その図式です。この本は以前取り上げた、「挑発する少女小説」に引用されていた文献で、障害者は引き立て役を引き受け、少女は良妻賢母を目指すことに帰結する、そういう「健全な社会」の成立に文学が資する、そういう時代背景だったようです。そこに「障害を抱えたまま生きる」という発想はなく。
物語を作る私たちにも、柊様の仰るような「第三者(※筆者)が気持ちよくなるのが目的」になってしまう危険性があるなと思いました。
ちょっとうがちすぎでしょうか💦
編集済
崩壊する主人公 「不在」/彩瀬まるへの応援コメント
闇を喰っていても生きていける
言葉の選び方が秀逸。西奈さんのエッセイがカクヨムで何回も選ばれるの分かります。西奈さんはエッセイだと主語が自分になるから、真っ直ぐに見つめるんですよね。女性にありがちな(失礼)感傷的に自分を美化するような甘えがない。その切れ味の良い真摯さが好き。
愛情に対する飢餓感とか埋められない喪失感とか…刺さります…たまには♡だけ押そうと思ったのに…思わずコメントしちゃいました。
作者からの返信
葵様
お返事遅くなりまして、申し訳ありません💦
そうですね。作品をだいたい自分に絡めて考えるというのは、当たってます笑💦
というか、人ごとじゃないような作品ばっかり読んでるというか💦
今回の作品は、今まで読んだ作品の中でも指折りで好きな作品でした。
評判はやや悪め寄りですが。
皆さんの♡だけで持っている連載なので、ぜひ是非とも!
すみません、私生活でけっこう大きいトラブルがあり、グダグダしています💦
表と裏のメッセージ 「挑発する少女小説」/斎藤美奈子への応援コメント
挙げられていた本、どれも小さい頃に夢中で読んだのを覚えています。懐かしい。主人公に芯があって苦境にもめげないんですよね。両親が忙しくて厳しめの家庭に育った私は、勇気づけられたものです。
あと、男性だと思っていたけど女性作家だったパターンはカクヨムでもありましたが、その反対ってなかなかないです。前に書いたけど、初めの半年位西奈さんのこと20代の女性だと思っていましたからね(笑)。これからも楽しみにしています♪
作者からの返信
葵様
そういう『小さい頃』を過ごしておけば良かった!w
私にとってのそれは、南条あやさんの『卒業式まで死にません』でした。
あの頃は、あの本がないと危なかった。
そういう本って、ある人、必ずいると思います。
ちなみに後輩の女の子が、赤毛のアンを強烈に推してくるのですが、この本を読んでちょっと理由が分かった・・・かもしれません。
作家さんの性別うんぬんでは、私の場合、北村薫さんがどちらなのか、明かされるまで分からなかったですw
ダイレクトに20代女性とまで思っていただけて、光栄です(⌒∇⌒)
まあ、もう20代はとうに超えてるんですがw
他の連載については、もう少しお待ちくださいませ。
ただいま、充電しております。
急に寒くなりましたね。
ご自愛くださいませ。
生と倫理 「燕は戻ってこない」/桐野夏生への応援コメント
子どもをこの世に生み出すというエゴと恐怖。最近、川上未映子の『夏物語』を読んだんです。こちらは精子提供の話だったのですが、生まれた側の苦しみや、望む側・持ちたくない人の想いなど複数の視点が交錯するんです。
でも、いわゆる普通の家庭の親だって、誰一人、「親になる資格」がある人なんていないんですよね。私も日々エゴとの闘いです(^^;;
ただ、代理母については、自ら望んで「モノ化」する女性とは別に、させられる女性もいるのでその闇は深いですね。
生と倫理について考えさせられ、桐野夏生の「正義」への意志を感じました。「柔らかな頬」は単行本で買って読みましたが、ほとんど覚えていないので…紹介して頂きとても参考になりました。
作者からの返信
葵様
こんばんは。「夏物語」をお読みになったんですね。
うちにもあります。まだ読めていないんですけど💦
「複数の視点が交錯」という点では、本作も似た構成を取っています。
それだけで、ではないですが、重なる点も多いんじゃないかと思います。
「代理母」となってくると、双方にまた段違いの負担になるのでしょうが・・・・・・(こちらの作中では、そのように書かれていました)。
私たちには子どもがいないので、実感というより理屈としてあのようなことを書いてしまったのかもしれませんが、それでも「親になる」ことを選択肢し、生まれてきた子どもが生きていくということは、当たり前のようでいて、とても大きなことだということに、気づかされました。
子どもにとっては自分の意志が介在できないところで自分が生まれたというわけですから、その点は親御さんとしては「エゴ」を感じることも。あるのではないか、とは思っていました。
桐野作品。今、私の手元にあるのが「グロテスク」のみです。本文中でも触れている通り、「リアルワールド」そして本作以外、未読です。
葵様の仰る「正義」を探りながら、また読み進めていこうと思います。
「すべての生命体の目標は死である」/「快感原則の彼岸」S.フロイトへの応援コメント
ご無沙汰しております。
大変に興味深く拝読しました。
私も「死の本能(タナトス/死の欲動)」は、あると思っています。
私、なぜか幼少の頃から死の恐怖がないんです。童話等で輪廻転生の思想に早くから触れた為かも知れませんが、特に小説を読むようになってからは、たとえ生まれ変われなくても怖くないと思うようになりました。
それどころか、死を「ひとつの救済」として捉えている側面もあります。一言で云えば、死んだら楽になれる、というもの。本能というか、生まれ持った性分による生きづらさもあったかもしれませんね。
ただ、この「死への欲望」、ベクトルが自分だと「自己否定や自殺」になり、他者だと「敵意や殺意」になりますよね。前者は言葉を選ばずに云えば、浸ったり愉しんだり美しさすら感じますが、後者はあまり楽しめないのです。ただ、口論のような魂の殴り合い描写は興奮します(笑)。まさにドストエフスキーの作品のような。なので、娯楽に散りばめられた物理的暴力性を楽しめずに、映画やカクヨムで困っています(笑)。
作者からの返信
葵様
こちらで応援をいただけるとは。なんとも久しぶりで、嬉しい気持ちでいっぱいです。返信にあらり、手元で少々調べ物をしていましたので、一日遅れのお返事となりますが、ご容赦ください。
葵様の仰るところの「死の恐怖」の有無、および意味としての「救済」は、私も感じているところです。実際自分で幕を閉じようとするとすさまじい困難なのですが、漠然と幼児期から世界が怖く、早くここから出たいと思っている子どもでした。ので、少しは葵様のお気持ちと通じるところがあるのかなと思います。
余談ですが、この「快感原則の彼岸」を執筆する前にフロイトはとても可愛がっていた孫娘を亡くしており、非常に深い悲しみに暮れていたようです。
「死の欲動」の理論的な部分ですが、じつは読んだ限りでは、自己に向かうという記述はのちの「マゾヒズムの経済論的問題」(1924年)につながっていくのではないかという、快感と自分への攻撃が混ざり合った状態についてのものに限っていたように思います。あくまで外傷に絞った論理だったからかもしれませんが。
ちなみに、フロイトのうつ病論(故人や大事な対象を失ったことからくるもの)においては正常な悲嘆との差を論じたうえで、失った対象に対する怒りを自分自身へ向けかえたものといった理論展開がなされていたと記憶しています(手元に論文がないのと、当時同意できなかったのであんまりよく覚えていないのですが💦)。
他方、50年代の分析家・ビブリングはうつ病の契機を自己と、それに関連する自我が「途方に暮れた」状態であると捉えなおしましたが、私にはこちらの説のほうがしっくりきます。
他方で、本論文では対象(この場合、他者を想定していいかと思います)に対する「死の欲動」の展開というのは終盤でわずか論じてあり、「愛(情愛)と憎しみ(攻撃性)」の「アンヴィバレンス」(両価性)として記述されています。
ただ、フロイト自身はあくまで心のプロセスは内的なものと考えていたようで、ようはどこまでも『リビドー』の展開や『葛藤』という、個人の中で成立するプロセスとして病理論を展開しています。
そのフロイトは人間の発達理論で、乳幼児期の「自体愛」(自分と外界や対象の区別がついていない段階)と「対象愛」を区別し、さらにそこに「退行」「固着」(前段階の発達過程への逆戻りや固執のようなもの)といった概念を用いて「ナルシシズム」を定義し、精神分析の適応外と論じています(この説は長く継承されましたが、アメリカで隆盛したコフートの「自己心理学」およびその流派においては、訂正されています)。
また、フロイトがあまり重視しなかった人と人との関係性については、のちの分析家・フェアバーンが「リビドーはそれ自体が対象希求的である」ととらえなおし、「対象関係論」というクラインもかなり影響を受けたとらえなおしを行っています。
死の本能論に話を戻しますと、フロイトはさらっと触れる程度になっていますが、その両価性を理論の中枢の一つとして採用したのがクラインであるかと思います。
人間の持つ生来の破壊性、その破壊性から心の中で幻想(投影)される攻撃者としての対象(心の中にいる内的対象)、今まで自分を攻撃すると感じ、ゆえに攻撃し返していた対象、けれどそれが、じつは自分へ愛を向けていたという現実の把握および、「償い」等(これらは乳幼児の発達理論ですが、このモデルは大人になっても変わらないもの、生涯を通して攻撃と償いの両極の態勢を行き来するものとされます)。
ちなみに私が今読んでいるのはドストエフスキーの「地下室の手記」なのですが、一応手記ではありますが、口喧嘩みたいな議論をふっかけているような文章なので、なんとなく葵様の書かれたこと、お察しできたかと思います笑
私も昔は『ゾンビ屋れい子』というスプラッタホラー漫画が大好きで(文庫版を今も持ってますが)、百合川という快楽殺人鬼の少女がいたのですが、激推しでした笑
(ちなみに先日、「ゾンビ屋れい子 25th Anniversary」の企画があり、限定カード欲しさにグッズ買いましたww)
ベタですが、美しい姿の人と血肉は、非常に相性がよいと思います。
それこそ、物理の世界で描写するにとどめるのはもったいないですよね。
(かといって、自分で書けるかというとそんなことはありませんのでただけちをつけているだけのようなものなのですが💦)