無人島に遭難した男

船旅に出ていた男が無人島に遭難した。

どうにか食料はないかと島を歩き回ったが何も見つからなかった。しかし男はあることを思い出した。この辺りは近くの国の空軍が飛行演習で使う中間ポイントだったのだ。

見つけて助けてもらおうとした男は砂浜に大きくヘルプと文字を書き、注目しやすいように一文字ずつ大きくまるで囲った。

しかし、半日歩きまわり疲れ果てた男は最後の文字を書ききった末に倒れるように眠ってしまい、体が水に浸っていることに気づいて起きた頃には夕方になっていた。

辺りも暗くなってきていよいよおしまいだと男が泣き崩れそうになっていると大きな音が鳴り響いた。

空を見るとヘリコプターが着陸しようとしているのだ。

男は歓喜しすぐそばに着陸したヘリコプターに駆け寄ると言った。

「ありがとう。助けに来てくれたんだな!」

操縦士は男に向かって短く言った。

「何してる、時間も押しているんだ早く帰りの燃料を入れてくれ、こんなに暗いと周囲の確認もできなくなるぞ」

そう言われた男は顔をしかめた。

「燃料も何もここは何もない無人島だぞ」

操縦士は驚いた。

「なんだって! ここはヘリポートじゃなかったのか?!」

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