早いピザデリバリー

夜遅くに帰ってきたフランクはあまりに疲れすぎて夕食を作る気が起きなかった。

その際、ちょうど目にとまったピザ屋の広告を見てピザのデリバリーを頼むことにした。

マルゲリータを1枚頼むとスマホには予定の到着時間が10分と表示されている。

しかし、5分としないうちにフランクの家の呼び鈴がなり、確認するとピザ屋のデリバリーが家の前まで来ていた。

「なんて早いデリバリーなんだ」

フランクはデリバリーの店員にそう伝える。

「ええ、うちはどの店舗よりも最速が社訓ですから」

「それは素晴らしいな。たしかマルゲリータは2500円だったか」

フランクが財布からお金を取り出そうとすると配達員はそれを制止して言った。

「今回は特別に25%引きの1875円で提供させていただきます」

「なんてこった、そんなキャンペーンがあったのか?」

驚いたフランクが店員に尋ねるが店員はかぶりを振る。

「いいえ、私の特別料金です」

「配達も早くてサービスもいいとは最高のピザ屋だな」

フランクは嬉々として配達員に料金を払いテーブルまでピザを運んだ。

ようやくピザを食べようとその箱を開けると、

ピザの1/4が欠けていた。

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