第12話 明(あきら)

――――――――――――数年後。


「明ーーーー!!」

「なんだようるせーな。後ろにいんだろ。」


冬の砂浜。

僕より少しガタイが良くて背の高い明に包まれていた。


「お前、痛くねぇのか?」

「痛いよ?」


この落ち着いた悪い口が好き。


「…愛してるぞ。」

「え?今なんか言った?」

「なんも言ってねぇ。」

「言ったよね?」

「言ってねぇ。」

「……愛してるよ。明。」


「愛してる。」

「……いっぱいしてよ。俺、明がいいんだよ。」

「わかってる。…あぁ…疼いてきた。」

「……いっばいして。」

「…行くぞ。」



―――――――――――――――。


キスが痛むから前ほどではなくなった。


でも明は明のやり方で愛してくれる。


柔らかくて優しい光を『あきら』がくれる。


――――――――――――――――――。

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柔らかな光の中で 海星 @Kaisei123

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